ウェアラブル市場の実態はまだまだ小さい

モノのインターネット(IoT)と誇大宣伝がされていることではあるが、なぜウェアラブル機器の開発者の人口が縮小しているのだろうか。
VisionMobileの最新レポートによると、21%のIoTに携わる開発者は微弱なマーケットを開発するための短期的な計画がある。ちなみに6カ月前までは28%だったが急にパーセンテージが下がったようだ。
長い間、ウェアラブル機器への関心は高いままであるが、この短期間、開発者たちはマーケットが成熟するのを待っているようだ。
盛り上がっているウェアラブル市場の実態はまだ小さい
IDCによると、昨年、2014年の2Q(上半期の二期目)から2015年の2Qまでの間にウェアラブルマーケットの出荷が223%まで高騰したとのこと。このデータは「消費者の(デバイス)乗り換えが始まった」という一節で締めくくられている。
しかし、我々はこの”高騰”について正しく見極める必要がある。
数量に関していうと、Apple WatchはFitbitに次いで二番目にあたるが、2015年のQ2の間の全18万台の出荷を見ると、ウェアラブル機器のマーケットがデベロッパーの巨大な人口に対価を支払うぶは、まだまだ小さな市場であるということだ。
Vision Mobileの調査データが示すように、ウェアラブルマーケットのデベロッパーが過去半年の間に減少したことが一因かもしれない。
出典元:VisionMobile
ご覧の通り、ウェアラブル機器への興味は長期間に渡って減少するどころか、次第に増大していった。しかし、18万台の出荷があったのにも関わらず、2014年2Qの間の多大な浮足立った関心は、翌年の2Qには、実用であることを求めるようになったのである。
市場の中心はアメリカ・ヨーロッパ、一方、デベロッパーの大半はアジア
2020年までにIoT市場には何万人ものデベロッパーを必要とするだろう、というVision Mobileの当初の見通しは何物にも変えることはできない。しかし、ウェアラブルを管理するプラットフォームとデベロッパーが住む地域との間に奇妙な不和が生じている。
まず、ほとんどのウェアラブル機器のデベロッパーのほとんど(44%)はアジア太平洋圏に住んでいる。これは北米とヨーロッパを合計してやっと追い付けるほどの割合だ。
出典元:VisionMobile
では、ウェアラブル機器の出荷先はどうなっているのだろうか?
FitbitとApple Watchが出荷数の首位であり、それらの企業の主戦場は北米とヨーロッパである。Fitbitは以前よりアジアに進出しようと試みているが、中国のMisfitsに後れを取り苦労している。Androidはスマートフォンとスマートウェアラブルの両方において、アジアの市場を牽引している。
要はデベロッパーとウェアラブル需要が高いエリアがズレているのである。
勿論いずれ改善されるだろう。アジア圏のデベロッパー達がマーケットの出荷台数が伸びないことに比例して、彼らが削減されている一方で、アメリカ及びヨーロッパ市場の盛り上がりに対して、そのエリアのデベロッパーの確保や育成が必要となるだろう。
ReadWrite Japan編集部
[原文]
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