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  ReadWrite Japan

「Huawei」についてもっと知るべき時が来た

2015年3月16日(月)
ReadWrite Japan

「Huawei(ファーウェイ)」。この新しい中国ブランドの名前をどう発音するか知っておくとしよう。

今週バルセロナで行われたMobile World Congressにおいて、この中国の電気通信会社はスタイリッシュなHuawei Watchを発表し驚きをもたらした。そして今回の発表を契機に、同社は消費者向けスマートウォッチやスマートフォンのメーカーとして、その認知度を高めようとしている。同社の広報担当者がロイターに語ったように、「従来の広告、オンラインプロモーション、スポーツチームのスポンサー」といった手法を用いる模様だ。

それに加えて、iSupplyの中国調査部のケビン・ヤンは(CNETで)グーグルがNexus スマートフォンの次の生産企業としてHuaweiを指名したと述べている。もしもそれが本当で、その結果生まれる携帯電話が良いものならば、同社はテクノロジーに詳しい購買層から高い評価を得ることになるだろう。

どうやら、Huaweiの周辺がにわかに動き出したようだ(それで、どう発音するかだが…「WAH-way」と言ってみよう)。

Huaweiとは何者か

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噂のHuawei Watchで同社を初めて知った米国の消費者は多いだろうが、Huaweiは1980年代後半から中国で通信機器を生産している企業だ。同社は国内の技術インフラを発達させるため、中国政府の主導により、人民解放軍の元技術者が1987年に設立した。

Huaweiはその初期において、電話およびインターネットのインフラを全国的に構築することに集中的に取り組んだ。一口に言うとシスコ社のアナログ版のようなものだ。1990年代後半から2000年代初めまでに、Huaweiは他の地域にも進出し、アジア、ヨーロッパ、オーストラリア全体に新たなモバイルネットワーク向けテクノロジーを提供することとなる。

2009年、Huaweiは初のAndroidスマートフォンを発表した。それ以降、ローレンジとミドルレンジのAndroidスマートフォンやWindows Phoneで印象的なラインナップを展開してきた。しかしそれでも、米国市場ではまだ十分に足がかりを築くには至っていなかった。

中国政府との関係を懸念する声

同社は逆風にも直面してきた。何も立証されないまま、通信機器のセキュリティについて繰り返し非難を受けてきたのだ。2012年、米国下院情報特別委員会はHuaweiが中国人民解放軍のサイバー部隊に、ネットワーク機器へのアクセスを許可していると告発した。

Huaweiは告発内容を否定しているが、同社が中国政府と癒着しているという疑念が米国における事業の足かせとなっている。2013年、同社CEOの任は、Huaweiが「米中、両国の間で」身動きが取れないならば、米国市場から撤退するつもりだと繰り返し述べてもいた。

しかし、過去は過去だ。ホワイトハウスはHuaweiが中国のスパイであるという明確な証拠はないと申し立てを見直し、同社はのちに米国からの撤退を撤回した

もう一方では、Huaweiは知的財産権の問題も抱えている。昨年、T-MobileはHuaweiが携帯電話の試験技術を盗んだとして訴えている。それに先立って、同社は同様の知的財産訴訟を起こされている。数例を挙げると、モトローラCiscoなどからだ。

括目せよ

米国と不穏な関係にあるものの、Huaweiが先日発表したスマートウォッチは同社のターニングポイントとなりうる。どの程度うまく動作するか、バッテリーが何時間もつのかは未だ明らかになっていないが、Huawei Watchはさながら高級端末であり、市場において唯一無二の存在である。

Apple Watchは、テクノロジーを結集した美しい製品で4月発売予定だ。片やHuawei Watchはデザインとスタイルの面でアップルの挑戦相手となりうる。Huawei Watchは定番のラウンドフェイスデザイン、サファイアクリスタル・ディスプレイ、高級メタルボディによる構成、心拍数モニターなどのスペックを誇る。つまりHuawei Watchは、Apple Watchが備える機能をAndroid Wear向けに採用しているとも言えるのだ。

Huawei Watch

Huawei Watch

これはHuaweiから生まれた初めての、誰もが興味を持ってしまう端末だ。もしも価格設定が妥当で、仕様通りに動作するならば、本製品はHuaweiが単なるメーカーの1つという評価を一変させるだろう。そして、来るべきアップルとのウェアラブル戦争で、まばゆいばかりの新しい武器をグーグルは手にすることになる。

つまるところ、本製品が次期Nexus生産に繋がるか否かにかかわらず、「Huawei」を発音する練習はしておいた方がよさそうだ。同社の名前が話題に上る機会はすぐに増えるだろうから。

画像(写真とロゴ)提供:Huawei

Brian P. Rubin
[原文]

※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちらをご覧ください。

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