Ubuntuを使ったWebサーバ構築

2008年6月26日(木)
小林 準

PHP5

 PHPは、Webアプリケーションの開発に広く使われているスクリプト言語です。Ubuntuでも、もちろんPHPを利用することができます。PHPもLAMP serverタスクに含まれていますが、個別にインストールする場合は以下のコマンドを用います。

$ sudo apt-get install php5 libapache2-mod-php5 php5-mysql

 このコマンドで、PHPバージョン5の本体、PHP5のApache2用モジュール、PHPスクリプトからMySQLへのアクセスするためのモジュールがインストールされます。

 コマンドラインでもPHPスクリプトを使いたい場合は、以下のコマンドでphp5-cliパッケージも導入しておきましょう。

$ sudo apt-get install php5-cli

 PHP5のモジュールさえインストールすれば、Apache2がPHPスクリプトを実行する状態に設定されます。もし、/etc/apache2/mods-enabled/php5.confおよび/etc/apache2/mods-enabled/php5.loadが存在せず、PHPスクリプトが実行できない場合は、以下のコマンドでPHP5のモジュールを有効にし、Apache2を再起動してください。

$ sudo a2enmod php5
$ sudo /etc/init.d/apache2 restart

 動作を確認するには、図3のリスト2の内容でphpinfo.phpを作成し、Apache2のDocumentRootディレクトリに置きます。そして、Webブラウザでhttp://ホスト名/phpinfo.phpにアクセスすれば、PHP5の設定パラメータが表示されるはずです。

 なお、PHP5の設定ファイルは/etc/php5/apache2/php.iniにあります。各設定値については、PHP5のドキュメント(http://jp.php.net/ini.core)を参照してください。設定値を変更した後は、Apache2の再起動が必要です。

Ruby on Rails

 最後に、人気の高いWebアプリケーションフレームワークであるRuby on Rails(RoR)の環境をUbuntuサーバにセットアップする方法を紹介します。

Ruby on Railsのインストールは、以下のコマンドで行います。

$ sudo apt-get install rails

 そして、任意のディレクトリにRailsをインストールします。ここでは、/var/local/lib/rails/application/ を用いることにします。

$ sudo rails /var/local/lib/rails/application/

 Apache2のデフォルトホストもしくは仮想ホストの1つを、Railsが動作するように設定しましょう。リスト3のようにDocumentRootを設定し、リスト4のようにDirectory設定を変更します。

 さらに、RailsはRewriteエンジンを必要とするので、以下のコマンドでrewriteモジュールを有効にします。

$ sudo a2enmod rewrite

 そして、以下のコマンドでディレクトリの所有者を変更しておきます。

?$ sudo chown -R www-data:www-data /var/local/lib/rails/application/public/
$ sudo chown -R www-data:www-data /var/local/lib/rails/application/tmp/

 最後にApache2を再起動すれば、Ruby on Railsのアプリケーションを動作させることができるようになります。

Ubuntu Japanese Team
Ubuntuプロジェクトのオフィシャルメンバーで、Ubuntu Japanese Teamの代表として活動している。最近は、業務でUbuntuをサーバOSとして利用することも多くなってきた。著書に「独習Linux」(翔泳社、2007年1月)がある。http://junkobayashi.jp

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