データの見方・読み方を学ぼう!

2009年2月26日(木)
渡辺 隆広

スパム報告、有料リンク報告の意味

 Googleウェブマスター向けツールにのみ搭載されている機能に、メッセージセンターとGoogleへのスパム通報フォームがあります。

 スパム報告フォームは2種類あります。1つ目の「Googleインデックスのスパムを報告」とは、検索中にスパム行為をしているWebページを発見した時に、それをGoogleに伝えることができる機能です。

 Googleは報告を元に今後の検索アルゴリズムの改良に役立てていくわけです。Googleは同ページで「特に悪質なケースの場合は、直ちに問題のスパムページをインデックスから削除し、検索結果に表示されないようにします。」とも説明していますので、すぐに対応する場合もある模様です。

 報告行為はあくまでボランティア的活動になりますが、Googleが上手に検出できていないスパムの存在を明らかにすることにつながりますから、報告しておいて損することはありません。

 2つ目の「有料リンクを報告」とは、SEO(のみ)を目的としてリンク広告枠を販売しているメディアや、それを購入して順位を上げているサイトを報告するためのフォームです。リンク売買が行われているかどうかを検索アルゴリズムで自動的に検出するのは難しい部分も多く、検索エンジンはユーザーからの報告にも頼っています。リンクを大量購入して順位上昇に成功しているサイトを発見した時に、こちらのフォームから通報しましょう。

 有料リンクの報告は、参考にされている模様です。日本でも不定期にリンクを販売しているメディアサイトのPageRankが大幅減少しているケースを確認しています。特にサイトの大小や有名無名にかかわらず、きちんとPageRankを下げるという対処をしていますので、より便利な検索サービスを実現してもらうためにも、そういったサイトを見つけたら報告してみるといいでしょう。

スパムと疑わしい時の判断方法 再審査リクエスト

 ウェブマスターツールのメッセージセンターとは、Googleから皆さん宛てに届くメッセージです。例えば、皆さんのサイトがガイドラインに違反している、もしくはその恐れがある場合に、Googleからの警告メッセージが届くことがあります。内容は、ガイドラインに違反していること、○日以内にそれを修正しない場合は検索品質を維持するためにインデックスから削除すること、などが記載されています。

 以前のGoogleは、スパム行為をしているサイトを発見した時に突然それを削除していたのですが、適切なメッセージをサイトオーナーに伝えたいとの思いから、このような事前警告が行われるようになりました。また、当初は適当にinfo@やadmin@などのメールアドレス宛てに警告を送っていたのですが、偽のGoogleメッセージが出回るようになったことで、Googleウェブマスターツールを通じた通知が行われるようになり、今日に至っています。

 通知手段はウェブマスターツールのみとなっていますので、時々でいいので、メッセージセンターは必ずチェックするようにしましょう。

 また、「私はSEOなんて興味ない」「スパム手法は一切使っていないから大丈夫」なんて安心している人ほど要注意です。意図せずしてガイドラインに違反するコードが入ったり、あるいは今まで常識的に行っていたデザイン手法が実はガイドラインに違反していたというケースが時々あるためです。

 もし、自分宛てにガイドライン違反の恐れありの通知が届いた時は、どうしたらいいでしょうか。残念なことに、Googleは具体的にどの部分が違反しているか、ガイドラインのどの条項に違反しているかまでの詳細は教えてくれません。

 そのため対処策は、届いたメッセージをヒントに、まずそうな場所を全部ピックアップして修正するしかありません。筆者の経験ですと、CSSの使い方が検索エンジン側から見るとNGというケースが多いように見受けられます。

 修正が終わりましたら、同じくウェブマスターツールにある「再審査をリクエスト」を通じて、どの個所をどのように修正したのかをレポートして送れば作業完了です。

株式会社アイレップ
日本のSEO黎明(れいめい)期である1997年よりSEOサービスを開始。2002年に会社設立(株式会社イー・プロモート)後、2005年4月より株式会社アイレップにてSEM総合研究所所長を務める。アイレップのSEOサービスを監修するほか、日米欧の検索業界の市場調査、サーチマーケティング関連のソリューション開発、検索エンジン企業等への事業展開アドバイスなども行う。SEO分野での第一人者として多くの執筆・講演活動で活躍中。主な著書に「検索にガンガンヒットさせるSEOの教科書」(翔泳社刊)など。また、専門誌・サイトで多数の連載記事を担当し、その高い専門性で人気を博している。http://www.irep.co.jp/

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