「Papervision3D」を試す!
Papervision3Dの現在と今後
最近ではさまざまな3Dライブラリが登場し、Flashでもリアルな3D表現が少しずつ可能になってきました。その1つとして今もっとも知名度が高く、注目を集めているのがPapervision3Dです。Papervision3Dとは、ActionScript2.0およびActionScript3.0で使用できる3Dライブラリで、MITライセンス(http://ja.wikipedia.org/wiki/MIT_License)によって配布されています。
3Dライブラリが広まった背景には、処理速度の高速なAS3.0の登場によるところが大きく影響しています。AS2.0では処理速度が決して速いとは言いがたく、処理に負荷がかかる3Dライブラリを使った3D表現は、あまり現実的ではありませんでした。
ところが、処理速度が格段に向上したAS3.0の登場によって、複雑な処理も可能なレベルになってきており、表現の幅も広がってきています。
ところで、先ごろFlash Player 10 betaが公開されました(2008年6月6日現在)。FlashPlayer10では新たに3D機能がネイティブサポートされます。ただ、完全な座標空間があるわけでなく、あくまでも2Dオブジェクトを3D的に扱えるようになっただけで、3Dモデリングされたオブジェクトを扱うものではありません。本格的な3D表現をするのであれば、これまでどおりPapervision3Dなどの3Dライブラリを活用する必要があります。
しかし、この新機能のサポートにより、Papervision3Dでの3Dレンダリングが格段に高速に行えることが期待されています。さらに、Papervision3D開発チームとAdobeシステムズ社が、密接にコンタクトをとっているという話も耳に入ってきています。Papervision3Dの開発は今後もますます活発になっていくだろうと思います。これは私の勝手な推測に過ぎませんが、近い将来、もしかしたらPapervision3DがFlashに標準装備されるということもあるかもしれません。
環境を整える
それでは、まずPapervision3Dを使うための環境を整えていきます。Papervision3Dは現在のところ、public alpha版の2.0(コードネームはGreatWhite)が最新バージョン(2008年6月6日現在)となっていますが、ここでは安定版であるpublic beta版の1.7を使用して解説します。
Papervision3Dをダウンロードするには、「Subversion」というバージョン管理システムを使用する必要があります。フリーで使用できる代表的なSubversionを紹介します。Windows環境の方はTortoiseSVN(http://tortoisesvn.net/downloads)、Macintosh環境の方はsvnX(http://www.lachoseinteractive.net/en/community/subversion/svnx/download/)からダウンロードできます。Papervision3Dのソースコードはこちらに(http://papervision3d.googlecode.com/svn/trunk/)置かれています。Subversionの使用方法は図1の「Subversionの使用方法」を参照ください。
Papervision3Dのダウンロードが完了したら、ソースコードのパスをFlash CS3へ通す必要があります。Flash CS3の環境設定から「ActionScript」カテゴリの「ActionScript3.0設定」をクリックします。「+」ボタンをクリックしてクラスパスを追加します。パスの参照ボタンをクリックし、「Papervision3Dをダウンロードしたディレクトリ/as3/trunk/src」を指定します。これで、環境が整いました。