米MSがOSSネットワークソフトを発表、HBaseのSQLレイヤー「Apache Phoenix 4.7」を公開、ほか

2016年3月18日(金)
吉田 行男
米国マイクロソフト社は9日、米国アリスタネットワークス社らと開発したOSSのネットワークソフトウェア「SONiC」をOCPに提案したと発表しました。

こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。

今週も相変わらず寒暖の差が激しい1週間でしたが、確実に春に向かっているようです。この週末の3連休には桜の開花する地域も出始めるようで、いよいよ桜前線がスタートします。満開は3月末から4月はじめということで、お花見の計画はお早めに!

今週もOSSに関する注目すべきトピックをとりあげましたので、ゆっくりとご覧下さい。

米マイクロソフト、オープンソースのネットワークソフトウェアを発表

米国マイクロソフト社は9日、Open Compute Project(OCP)の「Open Compute Summit 2016」で、米国アリスタネットワークス社、米国ブロードコム社、米国デル社、米国メラノックス社とともに開発したオープンソースのネットワークソフトウェア、「SONiC(Software for Open Networking in the Cloud)」をOCPに提案したと発表しました。SONiCは、Debian Linuxをベースに開発されたOpen Network Linux(ONL)との組み合わせにより、フル機能のレイヤ2/レイヤ3スイッチとしての機能を備えたオープンソースのネットワークOSです。

(参照記事:http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1603/10/news074.html

NoSQLストア上でSQLクエリを動かす「Apache Phoenix 4.7」リリース

「Apache HBase」上のSQLレイヤー「Apache Phoenix」開発チームは11日、最新版となる「Apache Phoenix 4.7.0」を公開しました。ACIDトランザクションのサポートがベータ版機能として加わっています。Apache Phoenixは「Apache HBase」などのNoSQLストアでリレーショナルデータベース機能を提供するソフトウェアです。これを利用してNoSQLデータストア上でSQLクエリを動かすことができます。

(参照記事:https://osdn.jp/magazine/16/03/14/142000

次世代SQLデータベースのCrateが$4Mのシード資金を調達、
コンテナ環境との相性が売り

2014年のTechCrunch Disrupt Europe startup Battlefieldで優勝した米国Crate社が14日、オープンソースのSQLデータベース技術に対する400万ドルのシード資金を獲得したことを発表しました。このラウンドをリードしたのはロンドンのDawn Capitalで、これに既存の投資家Sunstone Capital, DFJ Esprit, およびSpeedinvestが参加しました。さらにDockerコンテナの原作者でDocker,Inc.のファウンダー&CTOのSolomon Hykes氏も投資に加わりました。Hykes氏は当日の発表声明で“マスターがないシンプルなCrateのアーキテクチャはコンテナ環境に完全にマッチする。マイクロサービスパラダイムを採用するデベロッパーが今後増えるのに伴い、広くデプロイされることを期待している”と述べています。

(参照記事:http://jp.techcrunch.com/2016/03/15/20160315crate-raises-4m-seed-round-for-its-next-gen-sql-database/

Kubernetesの開発主体がCloud Native Computing Foundationへ正式に移管

米国Linux Foundationの協業プロジェクトで、クラウドネイティブなアプリケーションやサービスの開発促進に取り組むCloud Native Computing Foundation(CNCF)は10日、Kubernetesの知的所有権を譲り受け、同団体の最初の開発プロジェクトに設定したことを発表しました。CNCFはDockerやCoreOS、Red Hat、Google、IBM、Mesosphere、シスコ、インテルなどが主導して2015年7月に発足し、コンテナ型仮想化に対応し、動的にスケジュールされるマイクロサービス指向のアプリケーションやサービスによるクラウドネイティブなアプリケーションの推進を目的とした団体です。

(参照記事:http://www.publickey1.jp/blog/16/kubernetescloud_native_computing_foundation.html

米マイクロソフト、「Minecraft」を人工知能の訓練に活用 ―
「Project AIX」発表

米国Microsoft社の研究部門Microsoft Researchは13日、同社のものづくりゲーム「Minecraft(マインクラフト)」を採用する人工知能(AI)訓練プロジェクト「Project AIX」を発表しました。Project AIXは「人工汎用知能(Artificial General Intelligence)」と呼ばれる、人間には簡単でもコンピュータが獲得するのは難しい汎用的な知能を持つAIの構築をめざすプロジェクトです。

(参照記事:http://japan.cnet.com/news/service/35079519/

編集後記

20日から甲子園球場で春の選抜高校野球大会が始まります。また、25日にはプロ野球も開幕するということで、本格的な野球シーズンの到来ですね。プロ野球は最近暗い話が多かったのですが、この悪い印象を一気に吹き飛ばすような、おもしろいシーズンにしてほしいものです。

2000年頃からメーカー系SIerにて、Linux/OSSのビジネス推進、技術検証を実施、OSS全般の活用を目指したビジネスの立ち上げに従事。また、社内のみならず、講演執筆活動を社外でも積極的にOSSの普及活動を実施してきた。2019年より独立し、オープンソースの活用支援やコンプライアンス管理の社内フローの構築支援を実施している。

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