米Dockerなどがコンテナ標準化団体「OCP」を発足、米IBMがDockerベースのコンテナサービスをリリース、ほか

2015年6月26日(金)
吉田 行男

こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。

今週も米国では、さまざまなカンファレンスが開催されています。なかでも、話題の「DockerCon 2015」や「Spark Summit 2015」のレポートが多数出ています。

その中から、注目すべきトピックをとりあげましたので、ゆっくりとご覧下さい。

Docker、CoreOS、AWS、Googleなどが、コンテナ標準化団体「OCP」を立ち上げ

6月22日から、米国サンフランシスコで開催されている「DockerCon 2015」の基調講演で、コンテナ標準化団体「Open Container Project」の発足が発表されました。米国Docker社は、このプロジェクトを開始させるために、コンテナ仕様の草案およびイメージフォーマットに関連するコードとランタイムエンジンを寄付しました。なお、OCPという略称は米国Facebook社が主導するデータセンター技術のオープンソース化プロジェクト「Open Compute Project」と同じなので、混乱を避けるため、現在OCPに代わる名称を検討しているようです。

(参照記事:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1506/23/news043.html

IBM、Dockerベース「IBM Containers」をリリース
―ハイブリッドクラウドの配備を容易に

米国IBM社は、6月22日に「Docker」をベースにした大企業向けのコンテナサービスである「IBM Containers」をリリースしました。その目的は、ハイブリッドクラウドにおけるアプリケーションの配備や移動を簡単にすることです。「IBM Containers」は、米国IBM社のPaaSに向けた取り組みである「IBM BlueMix」上に構築されるため、顧客は「IBM Containers」と「Docker」、「Cloud Foundry」を組み合わせて使用できるようになります。

(参照記事:http://japan.zdnet.com/svc/nls/?id=35066316

NTTデータの猿田氏、分散処理ソフト「Spark」の「コミッタ」に就任

NTTデータ 基盤システム事業本部の猿田浩輔氏が6月17日、米国Apacheソフトウェアファウンデーション(ASF)が開発を主導するOSSの分散データ処理ソフト「Spark」の開発の中心メンバーである「コミッタ」に就任しました。日本企業からSparkのコミッタを輩出するのはこれが初めてです。「Spark」は、OSSの分散データ処理ソフト「Hadoop」の機能を補完するソフトとして、近年急速に注目が集まっています。「コミッタ」は、プログラムのソースコードに対する変更を承認する権限を持ち、OSS開発においてリーダー的役割を果たす立場です。

(参照記事:http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/061802051/?mln

Uberやトヨタ、CIAが採用、ビッグデータの次の主役「Spark」

6月15日~17日に米国サンフランシスコにて開催された「Spark Summit 2015」のレポートです。このカンファレンスには、2,000人のユーザーが集まり、タクシー配車サービスの米国Uber Technologies社、民家をホテルとして貸し出す米国Airbnb社、トヨタ自動車の米国法人、中国Baidu社、さらには米国中央情報局(CIA)などが、Sparkの活用事例を公表しました。特にCIAでは、2014年から「Spark」を活用しており、現在200台のサーバーを運用しているそうです。CIAが一番重要視しているのは「スピード」で、これを実現するために「Spark」が必要だったと語っています。

(参照記事:http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/061500148/061900001/

Linux Foundation、オープンソースのセキュリティ強化のため3プロジェクトを支援へ

Linuxを支援する非営利団体Linux Foundationは6月22日、重要なセキュリティ関連ソフトウェアの開発に約45万ドルを投資することを発表しました。2014年の「Heartbleed」脆弱性問題を受けて立ち上がったCore Infrastructure Initiative(CII)の下、新たに3つのプロジェクトを立ち上げます。新たに立ち上げるプロジェクトは「Reproducible Builds」「The Fuzzing Project」「False-Positive-Free Testing」で、それぞれディストリビューションの信頼性を強化することをめざすプロジェクト、ソフトウェアのバグなどセキュリティ問題検出のための手法を提供するプロジェクト、OpenSSL上で誤検知のない運用を支援することを目的としたソフトウェアを開発するプロジェクトです。

(参照記事:http://osdn.jp/magazine/15/06/25/065900

編集後記

今年は、いわゆる「男梅雨」といわれるような激しい雨が降ることが多く、各地でさまざまな被害が出ています。また、地震の発生などもあり、自然の驚異を感じることが多くなっています。朝は晴れていたのに、夕方の帰宅時に突然雨が降ることも多く、傘が当分、手放せないようです。

2000年頃からメーカー系SIerにて、Linux/OSSのビジネス推進、技術検証を実施、OSS全般の活用を目指したビジネスの立ち上げに従事。また、社内のみならず、講演執筆活動を社外でも積極的にOSSの普及活動を実施してきた。2019年より独立し、オープンソースの活用支援やコンプライアンス管理の社内フローの構築支援を実施している。

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