米Black Duckが2015年の「オープンソースルーキー」を発表、DockerやDevOps、AIが人気、ほか

2016年3月25日(金)
吉田 行男
米国Black Duckは14日、新しいOSSの中から優秀なソフトウェアを選ぶ年次アワード「Open Source Rookies of the Year」を発表しました。

こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。

19日に福岡、名古屋から始まった桜の開花宣言が、いよいよ各地の気象台からも出始めました。とは言え、また寒の戻りがあるようで、満開までにはもう少し時間がかかりそうです。

今週もOSSに関する注目すべきトピックをとりあげましたので、ゆっくりとご覧下さい。

コンテナイメージをスキャンして脆弱性を検出してくれるオープンソースの「Clair」、バージョン1.0をCoreOSがリリース

米国CoreOS社は18日、コンテナ内のイメージをスキャンして脆弱性を検出してくれるオープンソースのツール「Clair」が、バージョン1.0となったことを発表しました。Clairは、脆弱性データベースである「Common Vulnerabilites and Exposures(CVE)」やRed Hat、Ubuntu、Debianなどが公開している同様の脆弱性データベースの情報などを基にコンテナ内のイメージに既知の脆弱性がないかを自動的にスキャンし、脆弱性があった場合にはそれを報告してくれます。また脆弱性の報告だけでなく、新しいパッチがすでに提供されている場合はそのことも教えてくれるため、イメージを最新の状態に保つことができます。

(参照記事:http://www.publickey1.jp/blog/16/clair10coreos.html

物理サーバよりも高速化が期待できる「Red Hat Enterprise Virtualization 3.6」

米国Red Hat社は10日、KVMをベースに開発した仮想化ソリューションの最新版「Red Hat Enterprise Virtualization 3.6」の提供を発表しました。この新版では処理性能を改善したほか、仮想マシンの拡張性を高め、VMware環境からの移行が容易になっています。さらに、レッドハットのクラウド管理プラットフォーム「Red Hat CloudForms」と統合することで、複数の仮想化環境やアプリケーションコンテナイメージ、物理サーバなど、異種混合環境を一元的に管理できるようになっています。

(参照記事:http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1603/22/news043.html

ジブリが使用したアニメ制作ソフト「Toonz」、ドワンゴがオープンソース化し無償公開

ドワンゴは18日、スタジオジブリなどが長年利用してきた伊DigitalVideo社のアニメーション制作ソフト「Toonz」を買収し、誰もが無償で利用できて改良できるオープンソースソフトウェア「OpenToonz」として、3月26日に公開すると発表しました。OpenToonzにはスタジオジブリが独自に開発したToonz向けの機能や、人工知能技術を使ったOpenToonz向けのエフェクト、誰もがエフェクトを追加できるプラグイン機能を搭載しており、いずれも無償で提供されます。

(参照記事:http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1603/18/news171.html

SUSE、CephベースのSDS製品「SUSE Enterprise Storage 2.1」を提供開始

独SUSE社は15日、エンタープライズ向けのソフトウェア定義型ストレージ(SDS:Software Defined Storage)製品「SUSE Enterprise Storage 2.1」の提供開始を発表しました。SUSE Enterprise Storage 2.1は「SUSE Linux Enterprise 12 Service Pack 1」をベースとするCephベースの分散ストレージソリューションで、コモディティサーバーやディスクを利用できるため、従来のエンタープライズストレージアレイ、アプライアンスと比べてCAPEXを大幅に削減可能と言われています。またCephベースのソリューションとして業界で唯一、異種OSサポートを実現したとのことです。

(参照記事:http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/20160322_749282.html

米Black Duck、2015年の「オープンソースルーキー」を発表。コンテナやDevOpsが人気

米国Black Duck Software社(以下、Black Duck)は14日、前年にスタートした新しいオープンソースソフトウェアの中から優秀なソフトウェアを選ぶ年次アワード「Open Source Rookies of the Year」を発表しました。コンテナやDevOpsなど開発に関連した分野、コラボレーションなどの分野から12のプロジェクトが選ばれています。Black Duckが有するオープンソースプロジェクトの情報ネットワーク「Open HUB」などのデータを基に選んでおり、今年のトレンドとしてDockerコンテナ、オープンコラボレーション、AI(人工知能)の3つを挙げており、選ばれたプロジェクトもこの3分野に集中しています。

(参照記事:https://osdn.jp/magazine/16/03/22/152000

インテル元会長兼CEOのアンドルー・グローブ氏が死去

米国Intel社の元最高経営責任者(CEO)兼会長、Andrew Grove氏が21日、カリフォルニア州ロスアルトスの自宅で亡くなりました。享年79歳でした。Grove氏は1936年にハンガリーで生まれ、Intel創業期の1979年に社長に就任、1987年にはCEOとなり、1997年から2005年までは会長を務めました。

(参照記事:http://japan.cnet.com/news/society/35079903/

編集後記

高校野球も始まり、はつらつとした高校生のプレーは見ている我々にも元気を与えてくれます。この週末にはプロ野球も開幕し、いよいよ『球春到来』といった感じです。大相撲の春場所では、残念ながら琴奨菊の昇進は難しそうですが、日本人力士も頑張っており、話題満載です。

2000年頃からメーカー系SIerにて、Linux/OSSのビジネス推進、技術検証を実施、OSS全般の活用を目指したビジネスの立ち上げに従事。また、社内のみならず、講演執筆活動を社外でも積極的にOSSの普及活動を実施してきた。2019年より独立し、オープンソースの活用支援やコンプライアンス管理の社内フローの構築支援を実施している。

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