企業の仮想化を加速するCitrix XenServer

2009年8月3日(月)
北瀬 公彦

XenServerにおけるサイジング

 サイジングの際に重要となってくる要素は、CPUとメモリ、ディスクI/OとネットワークI/Oになります。なお、ここでのサイジング情報はあくまでも、参考レベルとして考えてください。このサイジング情報を元に仮想化した場合でも期待通りに動作するかは保証できません。

・準備
 一般的には仮想化するサーバーごとに、図3-1のような情報を、Excelなどを使用して把握することが重要です。この情報を元に、物理サーバーを仮想化するために必要なリソース(メモリ等)や、複数のゲストOSから、どれとどれを同じXenServerで運用するとよいかといったところも考慮していきます。

・プロセッサー
 CPUのクロック数と、コア数に大きく依存します。例えば、仮想化しようとしている物理サーバーのCPUのクロック数が1.0GHzで、運用時の最大CPU使用率が20%であったとすると、このサーバーを20台仮想化する場合には、図3-2のように計算します。

・メモリ
 運用時の最大メモリが1GBのサーバーを20台仮想化する場合、図3-3のように計算します。

 図3-1、図3-2のケースであれば、プロセッサー、メモリの観点から、例えば「プロセッサー:クアッドコア(2.0GHz)×2、メモリ:16GB」のようなサーバーを使用して仮想化をする場合、2台で十分と考えられるでしょう。

・ストレージ
 ゲストOSのタイプにもよりますが、目安としては、1XenServerあたり10ゲストOS以下である場合、Local Disk(SATA)でも良いと思われます。XenServerをインストールするディスクはRAID1構成にすると冗長構成をとることが可能です。また10ゲストOS以上の場合にはSASを推奨します。HA構成やXenMotion等を考慮する場合、NFSまたはSANストレージを考慮します。
 価格的にはやはり、「NFS<iSCSI SAN<FC SAN」となりますが、信頼性、パフォーマンス的には、「NFS≦iSCSI SAN<FC SAN」となり、NFSも共有ディスクとして使用することが十分考慮できるかと思います。

・ネットワーク
 最低2系統考慮します。仮想ディスク用のストレージネットワークと、ゲストOSで使用するアプリケーション用ネットワークです。ストレージネットワークはボンディング構成とし、冗長性、スループットを高めます。アプリケーション用ネットワークも必要に応じてボンディングして使用します。

今回のまとめと関連サイトへのリンク

 さて、一通りCitrix XenServerについて解説してきましたが、ご理解いただけましたでしょうか?まずは、こちらのサイト(http://www.citrix.co.jp/products/xenser/download.html)からXenServerをダウンロードして実際に使ってみることをお勧めします。ハードウエアの敷居もそれほど高くありませんし、インストールは10分程度で済みます。

 また、以下にもいくつかのサイトを紹介しますので、活用していただければと思います。

「XenServer 5.5 日本語KBサイト」(http://support.citrix.com/product/xens/v5.5/?lang=ja&tab=tab-hotfix#tab-topic

「XenServer 5.0日本語 KBサイト」(http://support.citrix.com/product/xens/v5.0/?lang=ja&tab=tab-hotfix

「日本語フォーラム」(http://forums.citrix.com/category.jspa?categoryID=176

「WIKIサイト(非公認)」(http://v12n.jp/index.php?%A5%B5%A1%BC%A5%D0%A1%BC%B2%BE%C1%DB%B2%BD%2FCitrix%20XenServer

 さらに複雑な仮想システムを管理するために、Citrix EssentialsというXenServer用とHyper-V用に仮想管理ツールを有償で提供しています。また機会があれば紹介したいと思います。

 次回はデスクトップ仮想化、Citrix XenDesktopついて説明します。

※Think IT編集部注(2009.08.03):図3に誤りがありましたため、一部修正を行いました。

CloudStack Day Japan 2014実行委員

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