第2回:SIerから社内SEを目指す(前編) -「企業のシステムを基礎から構築したいのですが」 (2/2)

転職成功への近道
転職バーチャル相談室 〜転職成功への近道〜

第2回:SIerから社内SEを目指す(前編)
-「企業のシステムを基礎から構築したいのですが」
2006/10/5
前のページ  1  2
転職バーチャル相談室 〜転職成功への近道〜 転職アドバイザー♯003 西田 正晴氏
プロフィール
相談者B
相談者Bさん

職種:SIer
年齢:30歳
経験年数:6年

現在2次受けのSIerに勤務しているが、様々な案件を通して1つの会社の全体のシステム構築に関わりたいと感じ、今回転職アドバイザーに相談を行った。

転職アドバイザー♯002 西田 正晴氏
エー・エー・アイ有限会社
転職アドバイザー
西田 正晴氏

1971年、明治大学商学部商学科卒業。情報通信を中心とした分野で10年の実績を持つ。外資系コンサルティング会社のコンサルタントや外資系マーキング会社の営業責任者に従事し、外資系にも強い。現在57歳。


アドバイザーは
道案内


転職は山を登るようなものです。道はいくつもありますが、転職アドバイザーという道案内をうまく使えば楽に登れます。

給与が高い
=リスクも高い


自分の中で転職に対する優先順位を決めることは重要ですが、希望によってリスクが高まることもあります。

自分の本当の姿を伝えよう

職務経歴書だけでは自分のことが伝わりません。面接に行く時間を作り、自分を伝える努力も必要です。

会社の本当の姿を知ろう

自分の姿と同じく、会社案内だけでは会社の本当の姿はわかりません。転職アドバイザーの知識を有効に活用してください。

スペックにあらわれない相性が大切

働きたい会社と働き続けられる会社は違うときがあります。その会社と自分の相性も良い転職をする上では重要です。



語学がキャリアアップの決め手
転職は国内企業だけじゃない
西田氏    転職目標として考えているのは国内の企業だけでしょうか。

相談者B氏    いえ、特に国内企業だけと決めているわけではありません。

西田氏    では職務経歴書には英語力についても記載しておきましょう。英語については外資系に限ったことではなく、国内の企業でも海外の関連会社や子会社とのやり取りが生じることがあります。

相談者B氏    どういった形で記載すればよいのでしょうか。

西田氏    例えばTOEICで何点取ったという形ですね。実際にTOEICは受けてますか。

相談者B氏    公的な試験はまだ受けていません。社内で英語の研修の一環として模擬テストを行っており、そちらでは800点位のレベルです。

西田氏    その場合でも一応参考点数という形で記入しておくと良いと思います。企業としてビジネスレベルの英語力を求める場合、TOEICの700〜800点で5段階の上から3番目位となります。800〜900点で上から2番目。900点以上だと申し分ないという感じですね。

   会話力という点ではご自分ではどのようなレベルだと思われますか?

相談者B氏    正直なところ、会話は苦手ですね。

西田氏    800点でも会話は苦手という方は多いですよ。そういう方は英語の基礎能力はあるけれど、使う機会がないから弱気になるようです。完璧に話すことを目指さず、意思の疎通をまず第1に考えることが重要です。

転職に向けた資格取得と勉強について
相談者B氏    外資系と国内企業に関係なく、今から取得しておいた方が良い資格はありますか。

西田氏    まずはマイクロソフト認定プロフェッショナルを取得するところからはじめてはいかがでしょうか。そこからレベルアップしていくと良いと思います。その資格を持っているということは、企業にとってその部分の教育をしなくてすむということです。

   私が相談を受ける中で、資格は取りたいけれど維持するのにお金がかかるので敬遠していると皆さんおっしゃります。企業側としては特に維持しているかどうかはあまりこだわっておらず、何年にこの資格を取ったということは、経歴書に書ける立派なキャリアなのです。

相談者B氏    言語としてこれから重要視されるものはなんでしょうか。

西田氏    Windows系の開発に携わっていたということなので、Javaと.NETが考えられます。私が関わっている企業から聞いている範囲内では、Javaよりも.NETの開発ができる人材を求めているケースが増えてきています。

相談者B氏    Javaは一時期ほどは求められていないのですね。

西田氏    ここ1〜2年の傾向ということでは.NETの方が求められています。もちろんJavaでの求人が無いわけではありませんが、.NETの知識や技術が必要とされている点は知っておくといいと思います。

   社内SEというと、これまではLotus Notesというイメージがありましたが、最近はWeb系のインターフェースが使われることが増えています。とにかくタダで入っているWebブラウザを使って、その上で使える社内システムを導入したい、という方向に企業の考え方はシフトしています。

相談者B氏    その他に必要なものはなんでしょうか。

西田氏    先ほど少しお話しましたが、外資系はもちろん大きな企業を狙った転職を考えているのであれば、英語力をつけておくと良いと思います。

   外資系と国内企業を比較した場合、30歳という年齢はちょうど給与差が生じはじめるところです。英語ができれば外資系への転職も視野にいれることが可能になるので、ぜひ勉強することをお勧めします。

仕事環境や条件について
相談者B氏    社内SEのキャリアアップはどういった形になるのでしょうか。

西田氏    今の年齢でしたら、ある程度自由に方向性は選べると思いますよ。良い点は開発系に携わった経験があることですね。デスクトップのサポートやシステムの運用だけであれば、アウトソースが進められているというのが現状です。

   社内情報システムはアウトソースせずに、設計と運用の部分は外部の人材を使わずに行いたいという企業が増えています。この辺りがキャリアの中心になっていくと思いますよ。

相談者B氏    今の会社では納期によって残業が多いのですが、社内SEの場合は余暇は増えますか。

西田氏    社内SEでも、ある程度の残業はあります。シフト制という業務形態になることが多いので、その場合は残業とは違う形なので慣れるまでが大変かもしれませんね。

   社内SEへの転職を希望する35歳位の方が、よく体力的に楽になると思われているケースがあります。単に余暇や体力面だけを考えて安易に転職すると、間違いなく楽にはなりますがキャリアアップという点ではマイナスですね。

相談者B氏    自分に合う会社はどのようにして探せばよいのでしょうか。

西田氏    そのための転職アドバイザーだと思ってください。私たちは実際に提携先、取引先の企業の方と直接会う機会を多く持つようにしています。その中でそれぞれの社内の雰囲気や、どういった人柄が求められるかを見た上で紹介しています。

相談者B氏    それは条件の面でも同じように相談に乗っていただけるのでしょうか。

相談者B氏    もちろんです。例えば年俸アップを特に重視される方には年功序列の国内企業は勧めません。ただし、その人自身に会って、多少年俸が下がっても安定した国内企業の方が合っていると感じたら、そちらを勧めますね。

相談者B氏    わかりました。ありがとうございました。

西田氏    頑張って良い転職をしてください。

前のページ  1  2


INDEX
第2回:SIerから社内SEを目指す(前編) -「企業のシステムを基礎から構築したいのですが」
  これまでの仕事で経験したこと
転職は国内企業だけじゃない
転職バーチャル相談室 〜転職成功への近道〜
汎用系SEから
オープンソース系SEを目指す
(相談者:28歳SE)
第1回:前編「汎用システムそのものの将来性に不安があるのですが」
第1回:後編「バックオフィスからエンドユーザコンピューティングに転職できますか」
SIerから社内SEを目指す
(相談者:30歳SE)
第2回:前編「企業のシステムを1から構築したいのですが」
第2回:後編「これまでのキャリアはどのように評価されますか」
社内SEからゲーム業界SEを目指す(相談者:25歳社内SE) 第3回:前編「やっぱりゲーム業界で働きたいんです!」
第3回:後編「これからのゲーム業界動向とそこでのキャリアアップは?」

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る