第1回:ITサービス市場の動向と予測 (2/3)

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第1回:ITサービス市場の動向と予測
著者:ミック経済研究所  平山浩二   2006/6/1
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3年後の2008年度にシステム開発サービスは、8兆3,253億円へ

   2005年度のシステム開発サービス市場は、7兆612億円であった。金融分野での統合需要や情報システム投資の回復、流通分野での開発ニーズ、通信業における大型案件ニーズといった材料に支えられ、前年度より4.6%増となった。

   2006年度以降も拡大を続ける見込であり、3年後の2008年度には8兆3,253億円へと拡大する予測である。システム開発サービスは、システム・インテグレーション型開発、支援・受託型開発、およびコンサルの3カテゴリに分類することができる。


SI型、支援・受託型開発はともに堅調

   2005年度のシステム開発サービスの内訳を見ると、システム・インテグレーション型(SI型)が4兆3,932億円、支援・受託型が2兆4,914億円、コンサルが1,766億円であった。

ITサービス市場推移・中期予測(金額)
表3:ITサービス市場推移・中期予測(金額)
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   前年度からの伸び率は、SI型が4.6%増、支援・受託型が4.5%増、コンサルが7.2%増。大手ITサービス企業を中心に利益率の高いシステム・インテグレーション型の事業強化の動きが強いが、2005年度はSE不足感から開発パートナーへの外注も盛んに行われ、SI型、支援・受託型のいずれも堅調に伸びた。

ITサービス市場推移・中期予測(伸長率)
表4:ITサービス市場推移・中期予測(伸長率)
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   コンサルの伸び率が高いのは、セキュリティコンサルのニーズが高まっていること、SIerが上流工程からのサービス提供を狙っていることが要因。ただし、ITサービス企業によるコンサルは、コンサルそのもので売上をあげるよりも、むしろ上流工程からユーザの情報戦略に絡むことで、SIやアウトソーシング案件を獲得しやすくするという「営業ツール」的な位置付けであるケースが主流である。

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株式会社ミック経済研究所

1991年2月設立。情報・通信、アウトソーシングに専門特化してマーケティング活動を行っている。同分野における情報リソースは、国内トップクラス。2004年11月、グリーンシート市場に株式公開。
http://www.mic-r.co.jp
株式会社 ミック経済研究所
著者プロフィール
株式会社ミック経済研究所  平山浩二
市場調査第二部 部長
2000年ミック経済研究所に入社。ITサービスや各種アウトソーシング/BPO市場の調査を専門に手がける。主な調査資料に「ITサービス市場の実態と展望 2006」「CRMアウトソーシング市場の現状と展望 2006」「人材ビジネス系・専門アウトソーサ系 アウトソーシング総市場の現状と展望 2004」がある。


INDEX
第1回:ITサービス市場の動向と予測
  ITサービス市場の動向と予測
3年後の2008年度にシステム開発サービスは、8兆3,253億円へ
  ITサービス企業は、ストック型ビジネスを目指す
数値で学ぶ最新ITトレンドレポート
第1回 ITサービス市場の動向と予測
第2回 情報セキュリティ製品の市場動向
第3回 ネットワーク&デスクトップ・サービス市場の現状と展望

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