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| 2つのケースのギャップを埋める | ||||||||||||||||||
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それでは「第7回:スキルのギャップはスキル不足から発生する」で紹介した事例を基に、これまで述べてきた施策によって具体的にどのようにスキルのギャップを埋められるのかを説明する。 |
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| 社内データ連携システム | ||||||||||||||||||
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このケースは企業規模のシステムのため、体制は必然的に大きくなり、進め方は従来どおりのウォーターフォール型になることが多い。施策としては以下のような進め方が望ましい。 体制の中にチーフアーキテクトを中核にしたアーキテクチャ設計チームを組み、全体アーキテクチャに責任が持てるようにすることが非常に重要になる。パフォーマンスが十分に出るかどうかという非機能要件がキーになることは、経験豊かなアーキテクトであれば最初に気づくべきことである。 また、アーキテクチャ上の弱点なども理解して進められるはずだ。さらに、実際にパフォーマンス問題が生じたときに、その改善活動をリードするためにもアーキテクチャ設計チームの存在は重要である。 全体にイテレーション開発の適用は難しいことが多いが、限定された範囲に適用してシステム連係機能のフィージビリティを検証することは有用である。この事例では、パフォーマンスについてのリスクを先に確認することができていれば、後の展開は随分変わっていたはずだ。 |
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| インターネット新ビジネス | ||||||||||||||||||
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このケースは先端技術を適用した小規模のWebベースの開発であり、少ない人数で開発全体をイテレーション開発することができる。施策としては以下の進め方が重要となる。 まずデザインと開発の両面を理解しているアーキテクトをアサインすることが重要だ。Webサイトは機能が足りていればよいというものではない。サイトの第一印象は機能よりもデザインが影響する場合が多い。HTMLやCSS、JavaScriptといった技術を、デザインと開発の両方の観点から正しく理解して設計されたアーキテクチャは、新規立ち上げ時だけでなく、リリース後の改善フェーズにおいても開発効率を向上させ、すばやいリリースを実現する。 次に、全体の進め方にイテレーション開発を適用することで、システム化可能な要件定義を行う。このケースではデザインを後回しとしていたが、要件定義の段階からデザイン担当も参画し、グランドデザインをチーム内で共有しておくことで、早い段階で実装観点でのチェックを入れることができる。そうすればデザイン反映作業はスムーズに行えたはずだ。 そして、最新技術の活用を得意とするスタッフを集めることも大切だ。最新技術に必要な技術力は、その人が経験して持っているということだけを意味しない。必要に応じてどれだけ的確な技術情報にアクセスすることができるかという点も重要なポイントとなる。 この例に出てくるAjaxは今までにない新しい価値をサイトにもたらす技術だが、明確な仕様がある訳ではなく、データ形式や使用するライブラリなどで多くの選択肢が存在する。この選択を間違えれば期待する結果は得られない。こうしたノウハウはコミュニティに参加することで得られるだろう。 |
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| 最後に | ||||||||||||||||||
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スキルのギャップは開発ベンダー側にその要因のほとんどが存在しているが、それは開発ベンダー側の努力だけでは解消しない。情報システム部門が本連載で上げた4つの施策を実施することで、開発チームとしての「システムを開発するスキル」が向上する。 繰り返しとなるが、どのような開発ベンダーをパートナーに選んだとしても、スキルのギャップは存在する。システム開発をするのは開発ベンダーでも、ましてやそこに在席する一部のスーパーエンジニアでもなく、情報システム部門を中心とする開発チーム全体である。この点に気付くことで、本連載で上げた4つの施策について納得いただけるだろう。 |
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