第20回:ws_rmサンプルを試す〜オープンソースソリューションのこれから (4/4)

Celtix Samples
デモでもしようかCeltix

第20回:ws_rmサンプルを試す〜オープンソースソリューションのこれから
著者:日本アイオナテクノロジーズ  江川 潔   2006/12/19
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オープンソースプロジェクトの集約

   オープンソースをベースに製品を作ることのメリットは再利用にあります。CeltixがApache Software Foundationに移ったということの理由の1つには、もちろんメジャーな市場で勝負するということもありますが、各種プロジェクトをうまく統合し、様々な技術を再利用できることも大きなポイントとなっています。

   例えばCeltix Enterpriseでも、従来のCeltixとCodehausのXfireが統合してApacheインキュベータのCXFを作り、それをサービスエンジンのコアとして利用しています。

   アイオナは大企業ではありませんが、オープンソースによるESB関連ソリューションのコモディディ化を目指し、新しいビジネスモデルの創出を戦略としています。その取り組みの1つとして、エンジニアリングの開発リソースの25%が次のようなオープンソースプロジェクトに参画しています。Celtix Enterpriseもこの一環として、リリースすることができるようになったのです。
  • Apache Incubator CXF (Services Framework)
  • Eclipse SOA Tools Project (Services Tooling)
  • Apache Incubator Yoko (CORBA)
  • Apache Incubator Tuscany (SCA)
  • Apache Incubator Qpid (AMQP)
  • Codehaus Xharness (Testing Tools)

表2:オープンソースSOA基盤スイート製品

   Celtix Enterpriseは「Celtix Advanced Service Engine(ASE)」と「Celtix Advanced Messaging」の2つの製品を組み合わせたスイート製品になります。Celtix Advanced Service EngineはCXFをコアにしたESBの機能を提供します。またCeltix Advanced Messaingでは、金融サービスのエンドユーザなどが中心になって策定している、JMSではカバーできない信頼性の高い基盤を目指した「AMQP(Advanced Message Queuing Protocol)」の仕様を実装したものです。

Celtix Enterpriseコンポーネント
図2:Celtix Enterpriseコンポーネント

   Celtix Enterpriseは、TomcatやJavaEE、JBI、Springをコンテナとし、今後も各種コンポーネントをプラグインアーキテクチャによって追加していきます。また、従来のCeltixでサポートしていたルーティングやトランスフォーメーション、Javascript、E4Xなどのダイナミックプログラミング言語によるアプリケーション開発も引き続きサポートします。

   さらに今後は、CORBAによるトランスポートのApacheインキュベータ「Yoko」の統合をはじめ、Eclipse SOA Tools Platform(STP)プロジェクトやApacheインキュベータTuscanyの「SCA(Service Component Architecture)」の成果を吸収していく予定です。

   オープンソースであるCeltix Enterpriseが「製品」であるという所以は、このようなコンポーネントの組み合わせ以外の各種サービスにあります。たとえば、通常の商用製品と同様にCeltix Enterpriseのドキュメントを開発して、公開しています。

Celtix Enterpriseのドキュメント
http://www.iona.com/support/docs/celtix/1.0/index.xml

   オープンソースであるためインシデントベースの敷居の低いサービスを追加し、商用製品と同様の24時間サポートを含むサポートサービスを提供しています。プロフェショナルサービスも提供しているため、アプリケーションの開発サポートも可能となっています。ただし、日本国内でのサービスの提供については個別にお問い合わせいただく必要があります。


オープンソースのムーブメント

   ソフトウェアのライセンスの販売を生業としている業界では「オープンソースによるビジネスが本当に成り立つのか」という疑問の声が多く聞こえます。当然ながら、オープンソースをベースにしたサービスの市場が簡単に大きくなるとは思えません。しかし商用製品の開発を見た際に、今現在でもすでにオープンソースをベースにしていたり、コンポーネントとしてオープンソースが組み込まれています。

   その意味では、オープンソースへのムーブメントはクローズソースの世界から出てくる可能性もあるのではないでしょうか。仮にクローズソースの製品の内容の50%以上がオープンソースを基に作られていれば、巷のオープンソースと何も変わらないということになりかねません。

   現在のオープンソースへの依存傾向はラインセス販売をする側の製品開発にも有効であり、今後しばらくは継続すると思われます。その間に市場がどのように変わるのかは予想できませんが、今、オープンソースソリューションに対して何らかの手を打っておくことは重要な一歩だと考えております。

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日本アイオナテクノロジーズ株式会社 テクニカルセールスマネージャ 江川 潔
著者プロフィール
日本アイオナテクノロジーズ株式会社
テクニカルセールスマネージャ   江川 潔

株式会社富士通SSLでNTT仕様のオペレーティング・システムの開発に従事したのち、日本ディジタルイクイップメント株式会社でNTT向けシステムの開発、その後、ソフトウェアとハードウェアのプリセールス活動を展開した。DECの合併を経て、現職のミドルウェア製品のマーケティング、アライアンス、プリセールスなどに従事。

blog「Essence is Real」
http://blogs.iona.com/essence/


INDEX
第20回:ws_rmサンプルを試す〜オープンソースソリューションのこれから
 はじめに
 antを使ったクライアントのビルドと起動
 Javaコマンドを使ってデモを起動
オープンソースプロジェクトの集約
デモでもしようかCeltix
第1回サンプルデモのREADMEとCallbackのデモ
第2回configuration/dispatch_providerサンプルを試す
第3回handlersサンプルを試す
第4回hello_worldサンプルを試す
第5回hello_world_asyncサンプルを試す
第6回hello_world_httpsサンプルを試す
第7回hello_world_RPCLitサンプルを試す
第8回hello_world_xml_bareサンプルを試す
第9回hello_world_xml_wrappedサンプルを試す
第10回.NETとの相互運用サンプルを試す
第11回jms_pubsubサンプルを試す
第12回jms_queueサンプルを試す
第13回js_providerサンプルを試す
第14回managementサンプルを試す
第15回routing\soap_jms_httpサンプルを試す
第16回routing\xml_http_soap_jmsサンプルを試す
第17回soap_headerサンプルを試す
第18回streamsサンプルを試す
第19回ws_addressingサンプルを試す
第20回ws_rmサンプルを試す〜オープンソースソリューションのこれから

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