第45回:竹内郁雄@Lispハッカーは、日本のゲルトミューラーだ

第45回:竹内郁雄@Lispハッカーは、日本のゲルトミューラーだ
IT転職百科事典

第45回:竹内郁雄@Lispハッカーは、日本のゲルトミューラーだ
編者:Tech総研  2007/9/26
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プログラミングとは、作文である
竹内郁雄さん
災害対策本部での情報提示画面
災害対策本部での情報提示画面。画面左上が使用中のアイコンの凡例、左側が警戒や指令などの文字列表、右側は携帯電話で撮影した土砂崩れの写真
3枚の大型モニターで表示させたGoogle Earthの画面
3枚の大型モニターで表示させたGoogle Earthの画面
ポジションはフォワード、審判員資格もゲット!
サッカーはいつごろから始められたのですか?
中学生の最後からですね。ずっと続けていたんだけど、サッカー部などには所属していなくて、大学のときにサッカーサークルに入ったくらい。それが入社したNTTの研究所でサッカー大会があり、40m近いロングシュートを決めたらサッカー部に誘われてね。研究所だけでなく現業も含めての部なんだけど、29歳になって生まれて初めて猛練習をしました。
 土・日はもちろん、1年の半分はサッカー漬け、最盛期で1年の4分の3は練習していたかな。
その後は監督にもなられたとか。
竹内氏のキーボード電気通信大学に移ってからも続けていました(笑)。自宅から電通大まで行く途中にちょうど研究所があって、位置的にもやるしかないと。ただ、選手は仕事で忙しいから試合で欠員が出る場合があって、そんなときは選手としても出場。58歳で公式戦に出たのは最年長記録じゃないかな(笑)。
 東京大学にきてからは後任に監督を譲ったけど、今の監督も仕事が忙しいうえに浦和レッズの大ファン。年間シートをもってるくらいだから、やっぱり見に行っちゃうよね。だから私が今でも「監督代行」として指揮することがある。チームの皆に楽しくサッカーをやってもらうには、年齢が上のほうがいいのかも。
ポジションはどこですか?
こう見えてもフォワードで、ヘディングが得意。もう40歳を過ぎていたけど、審判員の講習で、代々木公園のサッカー場で練習試合があってね。コーナーキックからヘディングを決めました。自分で言うのも何だけどチョーすごいシュートで、周りが驚いていた。今でもクリアに覚えています。
 もともとキーパーの弾いたボールとか、バーに当たって跳ね返ったボールをヘディングで入れるのが得意。そんな私に付いたあだ名が「ゲルトミューラー」(ドイツ史上最高のストライカーでデル・ボンバー[爆撃機]と呼ばれた選手)。ひげが似ているだけで、それほどうまくないけど。
お話にありましたが、サッカーの審判員の資格もおもちとか?
3級審判員。2級も取りたかったけど、年齢制限なんかがあってね。ほら、この29番のユニホームがサッカー部のもので、こちらが審判員の笛とレッドカード(写真)。レッドカードを出すときは腕を高く上げなければいけない。
あの、誠に申し訳ないんですけれど、ユニホームを着てそのポーズをお願いできますか……。
いいよ。ちょっと待ってね。
ロボカップ・レスキューからIT防災の道へ
竹内さんはサッカーが好きでRoboCupを始められ、2001年にはRoboCup Rescue(災害救助活動用ロボットによるシミュレーション)の第1回世界大会で優勝されました。これをきっかけに「IT防災」の研究に取り組み、最近では「マルチマウスミドルウェア」を開発されています。
どれも学生諸君の仕事ですけど。
 入ってみると、防災の分野ではあまりIT化が進んでいなかった。例えば災害時には対策本部が設置され、各部署の人が集まってさまざまな情報を報告したり共有したりするわけだけど、いまだに大きな紙地図を使って、そこに付せんを張ったり書き込んだりしています。
 これではそのグループにしか情報は伝わらないし、リアルタイムの更新も難しい。また、他所からの情報もファクスや電話でやり取りしていた。そこで大学院生の上田真史君を中心に開発したのが先ほどの「マルチマウス」で、これは1つのモニターに独立した複数のマウス(最大109個)が使えるミドルウェア。もうひとつは、複数のモニターで1つの画面を表示させるソフトウェアを開発した。
すべてをデジタル化して入力し、記録し、情報共有するわけですね。
竹内氏そう。例えばノートPCを2×3で6台並べて、1つの大画面で地図を表示させる。こうしたソフトはほかにもあったけど、こいつは自由度が高くて、表示する範囲を指定できたり、「のりしろ」も入れられる。隣同士のモニターでは端の部分で地域が重なるから、のりしろを幅1㎝ほど入れると地図がとても見やすくなるんだね。
 その大画面をプラットフォームにして、複数の人が独立したマウス操作で情報の入力などをするわけ。カーソルを色分けし、必要があればエリアごとに動作範囲を固定させて、それぞれの処理を行う。一方で、現場にいる方には携帯電話で位置情報付きの情報や写真を送ってもらい、地図に加えたりもできる。実証実験も行っていて、かなりいい感じに進んでいます。
防災だけでなく、ほかの用途にも使えそうですね。
マルチマウスはゲーム、会議、サッカーのような団体競技のイメージトレーニングにも使えるね。はこだて未来大学の研究室では、バスケットボールに使うプログラムに応用されているし。
 マルチモニターのほうは見るだけで面白い。学生がやっていたのは、壁一面に5台のプロジェクターでパノラマ写真を投影させるとか、大きなモニターを並べてGoogle Earthを表示させるとか(上の写真)、Windowsのフォルダの中の何百というファイルを見せるとか。高解像度の巨大画面に表示され、カーソルがモニターを飛び越えていくから、皆が驚いた(笑)。
リクナビNEXT 氏がプログラミングに病みつきになったのは、あの名機が影響を与えた? そして日本人ハッカーの大御所が最近書いたぷろぐらみとは、いったい何か?  続きはこちら>>

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