第1回:リスクアセスメントの範囲の策定 (3/3)

セマンティックWebによる情報統合 〜Web 2.0と情報活用を支えるメタデータ
セマンティックWebによる情報統合 〜Web 2.0と情報活用を支えるメタデータ

第1回:セマンティックWebとは
著者:野村総合研究所   田中 達雄   2006/7/26
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セマンティックWebの標準化動向

   現在、セマンティックWebに関する仕様は主にW3C(World Wide Web Consortium)で標準化されている。図7はW3Cで公開されている「セマンティックWebの技術階層」である。
セマンティックWebの技術階層
図7:セマンティックWebの技術階層
出典:W3Cの資料より野村総合研究所が作成

   先に説明したメタデータは「XML」ならびに「RDF(Resource Description Framework)」で定義することができ、オントロジーは「RDF Schema」ならびに「OWL(Web Ontology Language)」で定義することができる。

   また将来的にはより上位の仕様も標準化され、Rules層である「SWRL」などは情報リソースの扱いルールだけに留まらず、ビジネスプロセス上のルール記述への応用も進められている。基本的に上位の仕様が加わるにつれて、コンピュータが自律的に処理する範囲が広くなる(つまりコンピュータがより賢くなる)。

レイヤ役割W3C仕様その他
仕様
Trustコンテクスト・グループ・暗号化・電子署名により、エージェントが示した結果の信頼性を判断OWL/T 
Proofエージェントの処理の履歴、処理理由など、結果を導いた根拠を示すOWL/P 
Logic frameworkメタデータやオントロジを用いて問題を解決するための論理式を定義する枠組み。ならびにそれに基づくエージェントの処理SWR FOL
(注2)
 
Rulesビジネスルールの定義SWRL
(注1)
RuleML
(注3)
Ontologyより精密な語彙の定義と複数のスキーマの関係付け・融合を可能にする推論。その語彙がとりうる値の範囲や上限下限など簡単なルールであれば定義可能OWL
OWL-S
WSDL-S
RDF Schema語彙(クラス、プロパティ)を定義する手段の提供RDF Schema 
RDF MS機械処理可能なメタデータの表現(データモデル)RDF Model & Syntax 

表2:セマンティックWeb技術階層の説明
出典:野村総合研究所

注1:SWRL:Semantic Web Rule Language
注2:SWRL FOL:SQRL First Order Logic
注3:RuleML:Rule Makeup Language(RuleML.org)


今回のまとめ

   今回はメタデータとオントロジーを用いることで、情報リソースの意味やデータフォーマットが異なっていてもコンピュータに自律的に処理させることが可能になることを説明した。また情報リソースに付与するメタデータやオントロジーの記述はW3Cで既に標準化されていることも紹介した。セマンティックWebによるデータ統合の下地は既に整っている。次回以降はWeb 2.0ならびに企業における具体的な事例について解説していく。

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野村総合研究所 田中 達雄
著者プロフィール
株式会社野村総合研究所  田中 達雄
1989年4月に富士通株式会社に入社。ソフトウェア工学を専門分野とし「UMLによるオブジェクト指向開発実践ガイド(技術評論社出版)」を共著。2001年2月に野村総合研究所に入社。現在、情報技術本部にてIT動向の調査と分析を行うITアナリスト集団に所属。Webサービス/BPMなどの統合技術、エンタープライズ・アーキテクチャなどが専門。


INDEX
第1回:リスクアセスメントの範囲の策定
 はじめに
 メタデータの限界
セマンティックWebの標準化動向
セマンティックWebによる情報統合 〜Web 2.0と情報活用を支えるメタデータ
第1回セマンティックWebとは
第2回Web 2.0世界におけるセマンティックWeb
第3回エンタープライズの世界におけるセマンティックWeb
第4回統合技術として導入が進むセマンティックWeb
第5回セマンティックWebの将来

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