TOPキーパーソンインタビュー> では、Windows Vista対応となった「Delphi 2007 for Win32」はどうでしょうか
Borland Special Interview
開発者が創造性を活かして開発に取り組める開発環境を追求 話者:ボーランドソフトウェア  マイケル・スウィンデル氏   2007/3/27

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— では、Windows Vista対応となった「Delphi 2007 for Win32」はどうでしょうか
マイケル・スウィンデル氏   Delphi 2007 for Win32では、Windows全体のAPIとVista固有の機能に対応するコンポーネントを提供します。しかも、ユーザがWindows XPやWindows 2000で開発を行っても、作成したアプリケーションはWindows Vistaに対応させることができるのです。

  従来製品からの改善点としては、パフォーマンスの高速化をはかったこと、Webベースからのインストールを可能にしたことです。これによりますます気軽に利用できるようになったのではないでしょうか。


— Ajax対応についてはいかがでしょうか
  はい、Delphi 2007 for Win32では「VCL(Visual Component Library) for Web」がフレームワークとしてAjaxに対応しています。Ajaxを知らなくてもAjaxアプリケーションを開発することができます。

  これまでのWebアプリケーション開発では、開発時間の半分をHTMLやJavaScriptのコーディング作業に、残りの半分をアプリケーション開発作業にあてていました。しかしDelphi 2007 for Win32を使用することでビジュアル的に開発が行えるようになり、アプリケーション開発に100%集中することができるようになります。

マイケル・スウィンデル氏   なお、Web開発ツールは外部に情報を公開するための機能を提供することを目指していますが、このVCL for Webでは企業内ビジネスアプリケーション開発向けにも利用することができます。

  例えば、これまでクライアント/サーバ形式のビジネスアプリケーションを利用していた企業にとって、Ajaxに対応したアプリケーションは理想的な環境といえるでしょう。特にグローバル展開する企業や、企業の成長をはかろうとしている企業において、VCL for Webは有益となると思います。

Delphi 2007 for Win32
図2:Delphi 2007 for Win32
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


— 今回は、英語版と日本語版が同時出荷されたことで、日本のユーザはとても喜んでいます。これはユーザの要望でしょうか
  そうですね、今回タイムラグなく英語版と日本語版を出荷したのは、CodeGearにとって日本が重要な市場だからです。ボーランドはグローバル企業として世界中で事業を展開していますが、そのうち米国市場は1/3に過ぎません。残りの2/3の中で日本市場は特に重要な市場であり、その結果として開発プロセスの変更を加えて日本語版との同時リリースを行ったのです。

  日本の開発者からは、Unicodeサポートを増やしてほしいという要望が寄せられています。これを受けてDelphiでは、DBX4データベースアーキテクチャーを搭載し、主要データベースへの接続をサポートしていますが、今回はUnicode対応のアップデートを加えており、4つのデータベース用にUnicodeドライバを提供しています。すべてのDelphiのコードは2バイト対応になっていますが、今後さらにUnicode対応を進めていく予定です。


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INDEX
開発者が創造性を活かして開発に取り組める開発環境を追求
  「CodeGear」というブランドでどのようなポリシーで製品を提供していくのでしょうか
では、Windows Vista対応となった「Delphi 2007 for Win32」はどうでしょうか
  今回初のリリースとなったDelphi for PHPは、開発者にとってどのようなメリットがありますか