第1回:組織力とは何か (3/3)

組織力
最強の組織を創る!適材適所で最大生産性を実現

第1回:組織力とは何か

著者:ベストソリューション  乘浜 誠二   2007/5/7
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ヒューマンチェーンマネジメントが目指すもの

   適材適所に人材を配置したことによる生産性の向上と、働く側のストレス解消(ディストレスな状態)によって、気持ちよく、笑顔で働ける環境を会社側は整えるべきである。

   そこで生まれる生産性こそが最後のシステム化の砦となるだろう。これには、欧米のCASEツールやERPツールに包括されているヒューマン・デベロップメント機能を駆使することが重要だ。そのためにも「日本企業で働くのは大多数が日本人なのだから必要はない」という考えを変える必要がある。

理想的な組織とは何なのか?

   かつて筆者が慶応義塾大学大学院の経営管理学科(MBAコース)で科目履修していた際に聞いた、高木 晴夫教授の以下の言葉が忘れられない。

   「世界の組織論者・研究者の中でも有名な日本の組織こそ、理想的である」

   実際に、欧米の組織学者もこの組織を研究しているとのことで、実際にいくつもの論文がだされているようだ。

   その組織こそ「任侠道」の世界である。これは、意思伝達系や上下関係のすべてにおいて無駄のない組織であり、「J-CSR」と呼ばれている。本来のCSR(Corporate Social Responsibility)の考え方は人間力の向上を目的としたものだ(図4)。

本来のCSRとは
図4:本来のCSRとは
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   ここではあえて人間力を「組織力」に置き換えてみたい。

   つまり、顧客に対して提供する価値とは組織力の充実であり、それが顧客満足度の向上になり、敷いては顧客による支持の拡大や会社組織に対する評価の向上に結びつく。

   最終的には、企業ブランドの価値の創造や企業価値の向上となり、それが組織の活力となりグループブランドの活力となり、組織が育つ。このスパイラルを何度も繰り返し、組織力は大きくなり発展していくのである。

   それが、J-CSRである。

   つまり、「育つ組織」「考え自立した組織」「自らが成長する組織」こそが、本来の求められる組織力である。

   次回は「なぜ、人は会社を辞めるのか」というテーマで、社員が感じるストレスの分析とケアについて解説する。

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株式会社ベストソリューション 乘浜 誠二
著者プロフィール
株式会社ベストソリューション  乘浜 誠二
1982年に中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、エネルギー関連の商社や朝日(現あずさ)監査法人国際事業部を経て、1994年にベストソリューションを設立。システム構築上での業務プロセスの効率化や簡素化などを実践する。現在、NPO日本アクションラーニング協会発起人やNPO日本語表現力協会理事、外資系情報産業研究会副会長、小樽商科大学大学院非常勤講師などを勤める。


INDEX
第1回:組織力とは何か
  日本における組織力の考え方
  ERPに受け継がれる概念
ヒューマンチェーンマネジメントが目指すもの
最強の組織を創る!適材適所で最大生産性を実現
第1回 組織力とは何か
第2回 なぜ、人は会社を辞めるのか

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