TOP>キーパーソンインタビュー> 2年目の活動と今後の目標 話者:Itanium Solutions Alliance日本地域委員会議長 日本電気 泓(ふち)宏優氏 2007/6/29 前のページ 1 2 2年目の活動と今後の目標 — 活動として2年目に入られているわけですが、どのような成果がありますか 泓氏:まず日本市場に関してですが、マスコミを含めてアライアンスの活動が認知されはじめた段階だと考えています。ディベロッパーデイズの開催やソリューションズカタログの配布などを通じて、提供するプログラムの質も向上してきていると感じています。 アライアンス全体では、様々なトピックがあります。まず各ベンダーの広告宣伝やプラットフォームの開発費用、R&Dなどを含め、設立時のメンバー9社を合わせて2010年までに100億ドルの投資を予定しています。利用サイト数が10万を超え、先ほど申し上げたように12,000本のソリューションが揃いました。そしてデュアルコアのItaniumプロセッサとしてデュアルコア インテル Itanium 2 プロセッサー 9000 番台が昨年発表されました。 このほかにも様々な出来事がありましたが、市場に対してItaniumプロセッサを認知していただけたのではないかと考えています。 — Itaniumの普及はどのようなペースで進んでいるのでしょうか 泓氏:昨年の9月、アライアンスの2年目の目標として「2007年度中に国内RISCプロセッサの販売金額の6割に相当するItanium市場を目指す」というものをあげました。当初5割からスタートして6割を目指そうということでしたが、2年目の活動をスタートしてすぐに6割を超えてしまいました。我々が予想した以上にItaniumの普及が加速しているということです。 今現在の市場としてワールドワイドでみた場合、同じRISCプロセッサで比較すると、SPARCに対しては約70%、Powerに対して約40%のマーケットに成長しています。 これが日本では、SPARCに対しては211%、Powerは112%となっており、非常に成功した市場であるといえるでしょう。ワールドワイドのアライアンス議長からも「日本のやり方をもっと学ぶべきだ」という話もでており、名誉なことだと考えています。 — この成功の要因はなんだとお考えですか 泓氏:私たちなりに分析したところ、Linuxの存在が大きいと考えています。Itanium2プロセッサのOS別の金額シェアをみたところ、56%がUNIX、12%がLinux、7%がWindows、その他が26%となっています。UNIXをオープンシステムとみた場合、3/4がオープンシステムを採用し、さらにLinuxやWindowsといった本格的なUNIX以外のOSが多いという特徴があります。 Linuxという市場からみた場合、Itaniumは格段に有利ですし、それを市場が認めているということがわかります。このため、現在は12%という市場をさらに増やしていこうと考えています。富士通ではメインフレームをLinuxとItaniumの組み合わせに積極的に変更しています。また日立製作所でもBladeSymphonyにおいて、現在LinuxとItaniumの組み合わせが増加しているといいます。 またNECでも「エンタープライズLinuxソリューション for MC」のItanium版を強化していきます。このように、日本の国産3社は日本市場においてLinuxに注力していこうと考えています。従来のUNIXからItaniumへのシフトも当然進んでいますし、ここにLinuxの市場が加わることで、さらに加速が右肩上がりで成長できると考えています。 — ソリューションの面ではいかがですか 泓氏:日本の国産のソフトベンダーもアライアンスの活動に注目するようになっています。興味を持たれたベンダーが突然アライアンスに入りたい、とコンタクトを取ってこられる例もあります。こういった動きは非常に喜ばしいことだと考えています。 またJavaの動向も追い風となっています。サン・マイクロシステムズが今後も引き続きJavaの開発環境にコミットすると発表されました。すでに多くのソリューションがJava上で展開しています。しかもItaniumに最適化されたJavaが提供されるということが発表されていることもよい状況だと思います。 — 今後アライアンスが目標とされる部分は 泓氏:Linuxについては、現在、レッドハットの協力を得て、最新のLinuxを搭載し、動作環境を整えたサーバを提供するとともに、開発者からの問い合わせにも対応しています。今後はさらにミッションクリティカルなシステムでの導入を目指していきます。そのために、例えばUNIXで構築されたシステムを、ItaniumとLinuxの組み合わせに置き換えた場合の技術検証を行うといったことも考えています。 さらに今後は置き換えを進める一方で、これからでてくる新しいニーズに応えるためにLinuxを中心としたソリューション拡大にも注力していきたいと思います。 Itanium Solutions Alliance 日本地域委員会議長日本電気株式会社 ITプラットフォーム販売推進本部商品マーケティンググループ グループマネージャー泓(ふち)宏優 日本地域委員会の議長として、2005年9月の設立時より設立メンバーのサーバ各社と協力し、Itaniumソリューションの普及・導入のために積極的なアライアンスの活動を牽引、展開。 前のページ 1 2 INDEX 急速に普及が進むItaniumの日本市場を支える「Itanium Solutions Alliance」 Itaniumの普及を促進するItanium Solutions Alliance 2年目の活動と今後の目標