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BIツール選択に失敗しないために
第7回:モニタリング・ツールの選択〜経営者の必要とする表現力をチェック(後半)
著者:
アイエイエフコンサルティング 平井 明夫
2005/8/22
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バランス・スコアカード
バランス・スコアカード(BSC)とは、企業の戦略を戦略マップと呼ばれる地図にして、それに基づいて経営を行うための方法論です。企業戦略はBSCにより、4つの視点/戦略目標/KPIという3つの階層を持つKPI群として体系化されます。
これを、モニタリング・ツールの選択の観点から見ると、BSCで体系化された企業戦略の実施状況をモニタリングするためのツールとして使用できるかどうかということになります。基本的に、BSCは4つの視点と戦略目標の2階層のKPIグループと、最下層の個別KPIについてスコアリング/シグナル表示/グルーピング及び重み付けができれば、BSCのモニタリングに使用できると判断できます。
図7は、MicrosoftのBusiness Scorecards Acceleratorのモニタリング・ツールとしての機能を使って作成したBSCのモニタリング画面の例です。
図7:モニタリング・ツールによるBSCモニタリング画面の例
この図で、「財務の視点」が最上位のKPIグループである4つの視点の1つ、「顧客満足度」が戦略目標と呼ばれる下位のKPIグループの1つ、「新規顧客獲得数」が最下位の個別KPIの1つになります。全ての階層のKPIとKPIグループはスコアリングされ、その点数に応じてシグナル表示されています。
以上は、モニタリング・ツールが持っている一般的な機能によるBSCモニタリングの実現に関する評価ポイントでしたが、モニタリング・ツールの中には、戦略マップ形式での表示というBSCに特化した機能を持つものがあります。
図8は、MicrosoftのBusiness Scorecards Acceleratorの戦略マップ形式での表示機能を使用した例です。
図8:戦略マップ形式でのBSCモニタリング画面例1
このモニタリング・ツールでは、あらかじめBSCのモニタリングに使用することを指定すれば、戦略目標と個別KPIを定義するだけで、自動的に戦略マップ形式での表示画面を生成するようになっています。
これとは別に、BSCでの利用を特に想定していないモニタリング・ツールでも、汎用的な機能を利用して、戦略マップ形式でのBSCモニタリング画面を作成することができる場合もあります。図9は、CognosのMetrics Managerを使用して、戦略マップ形式でのBSCモニタリング画面を作成した例です。
図9:戦略マップ形式でのBSCモニタリング画面例2
このモニタリング・ツールには、特にBSCでの利用を想定した機能はありませんが、表示画面の背景を自由に設定できる機能があります。この画面では、視点と戦略目標のシグナル表示はされていませんが、背景の画像として戦略マップ形式のものを貼り付けることによって、擬似的に戦略マップ形式でのBSCモニタリング画面を実現しています。
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著者プロフィール
株式会社アイエイエフコンサルティング 平井 明夫
日本DEC(現HP)、コグノス、日本オラクルを経て現職。一貫してソフトウェア製品の開発、マーケティング、導入コンサルティングを歴任。 特に、データウェアハウス、BI、OLAPを得意分野とする。現在、企業業績管理、管理会計などデータ分析ソリューションの短期導入を可能にするテンプレートやパッケージの開発を行っている。
INDEX
第7回:モニタリング・ツールの選択〜経営者の必要とする表現力をチェック(後半)
グルーピングと重み付け
KPIの相関関係表現
バランス・スコアカード
BIツールの動向