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| 些細なことが招くモチベーションの低下、様々な影響 | ||||||||||||||||||||
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例えば「深沢式 会議法・議事録術」では「プロジェクタが必要」としています。しかし、より上位のマネージャーに「会議でプロジェクタを利用したい」と提案した場合、「プロジェクタは高価なこともあって、すぐには用意はできないからムリ」と、代替案や根拠の説明なしに短絡的な結論を出されてしまう場合があります。「第2回:会議の進め方と議事録術」ではこのようなことを避けるためにその目的を述べました。 いくら提案者が「プロジェクタや外部モニタなどで」とマネージャーに説明しても、最初の「プロジェクタ」という単語を聞いた時点で「そんなものない」という考えにとらわれてしまい、次の「や外部モニタなどで」という言葉がまったく耳に入らない場合もあります。 これをどうこういっても人間とはそういうものですから、本来いちいち気にすることではありません。しかしそれでも、提案者はモチベーションが極めて下がる状況に置かれることとなります。 なぜならマネージャーが「プロジェクタや外部モニタなどで議事録作成画面を確認する」という言葉の真意を確認せず、大した根拠や代替案の検討もないままに簡単な理由で「プロジェクタがないからできない」と結論づけるのは、マネージャー自身のプロジェクトに対するモチベーションが極めて低いことのあらわれに他なりません。提案がどれだけ重要なのかを考えることなく、要は「面倒くさい」といっているのです。 さらに追い打ちをかける様に、わざわざ不要な苦言を呈したりすることもあります。苦言の対象が提案者のアイデアである場合は極めてよくない対応といえます。提案者をうならせるぐらいの、より良い現実的なアイデアを提示出来ているのであれば別ですが、このような対応はマネージャーや組織の、プロジェクトや人に対する姿勢であり、その姿勢がプロジェクト全体の様々な局面で表面化している場合があります。1つ1つは小さなこととしてあらわれているのですが、プロジェクトを破綻に向ける最も大きな要因の1つですので、実は放っておいてはならないものなのです。 マネージャーなど決定権を持つ者は配下の者の提案をよく聞き、しっかりとその真意を理解した上で注意深くプロジェクトメンバーに対する対応を判断していかなければなりません。では具体的にどうするかということですが、このような場合は結論を簡単に出す前に、プロジェクタを必要としているその真意を考えて直接発言者に尋ねればよいのです。これは当たり前でとても簡単なことです。そのまま聞けばよいのです。 「何故、プロジェクタが必要なのか?」 必要に応じて「プロジェクタは○○という理由で、すぐには用意できそうもないので、何か他によいアイデアはないかを考えたい。そのために真意が知りたい(実際はとてもくだけた表現です)」などと質問の意図を伝え、問いかけます。 そうすれば「隣の部署に古いけど使ってないプロジェクタがありましたよ」「この部屋にある大型テレビはモニタにもなりますよ」など、たまたまその場に居合わせた人が情報を提供してくれる場合もありますが、日頃から冷静でおだやかに上記のような会話をしていなければ、それもなかなか実現しないでしょう。このような(一見)ちょっとした対応の違いが、結果としての周囲の行動を成功や失敗に導いていくわけです。 意図が明確になれば会議の参加人数や机の配置なども考慮に入れて、CRTモニタや液晶モニタで間に合わせることができるという結論にいたることもあります。ちなみに代替案として筆者が実際におこなったことのある例では、両脇に顧客側の参加者が座っている会議机の端に17インチのノートパソコンを置いて、ワイヤレスキーボードとマウスで反対側の端から操作して8人ぐらいまでは何とか対処したこともあります。 |
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