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サーバ仮想化
サーバ仮想化技術とその実践的評価ポイント

第1回:サーバ仮想化の背景と種類
著者:野村総合研究所  松本 健   2005/8/4
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単一筐体型

   単一筐体型とは、1つの物理サーバを複数の仮想サーバに分割することをいう。パーティショニングや仮想マシン(Virtual Machine)がこれに相当する。

   パーティショニングとは、単一筐体内に複数のOSイメージを起動させることで、仮想的に複数のマシンがあるかのように利用できるようにする技術である。仮想マシンはOS上で主にPC/AT互換ハードウェアをエミュレートする技術である。

   他にも単一筐体型の仮想化技術には、ジェイル、仮想OSなどのタイプが存在するが、以下では現在最も成熟度が高く注目されている、パーティショニング、仮想マシンについて詳しく解説していく。


パーティショニング

   パーティショニングには大きく分けて物理パーティショニングと論理パーティショニングの2種類がある。1台の物理サーバを物理的なブロック単位(セル単位)に分割するものを物理パーティショニングという。セルとは、1つ以上のCPU・メモリ・I/Oカードを1つの塊にしたものである。物理パーティショニングでは、ハードウェア障害や負荷の影響がパーティション同士で影響を与えないのが特徴である。またCPU単位・メモリブロック単位で分割し、どのパーティションにも自由にリソースを配分できるようにしたものを論理パーティショニングという。

   パーティショニングは主にUNIX系ベンダーが採用しており、ヒューレットパッカード社では物理パーティショニングをnPartition(nPar)、論理パーティショニングをVirtual Partitioning(vPar)、IBM社ではPhysical Partiotioning(PPAR)、Logical Partitioning(LPAR)との名で実装している。

パーティショニング
図4:パーティショニング
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


仮想マシン

   仮想マシンでは、WindowsなどのOS上に(ホストOS)PC/AT互換のハードウェアを仮想的に構築する(仮想マシン)。この仮想マシンにPC/AT互換のハードウェア上で動作するOSをインストールすることができる(ゲストOS)。物理サーバ上にある仮想マシンは、ホストOSを介してCPU・ハードディスクなどのサーバリソースを使用する。

   仮想マシンを採用するベンダーにはVMWare社、Microsoft社などがあり、VMWare GSX(VMWare社)、Virtual Server(Microsoft社)などの製品が有名である。この方式は動作が安定性していることがあげられる。また、VMWare ESXのような仮想マシンの制御に特化した専用のホストOSも出はじめており、その動作は非常に高速である。また最近では、オープンソースの仮想化ソフトウェアであるXenが登場し、大手ハードウェア・ソフトウェアベンダーでサポートを表明し、ますます注目度があがっている分野である。

   仮想マシンでは、各仮想マシンが必要な物理リソース量の設定を変更することで、柔軟なリソース配分が可能になることのほかに、仮想的なPC/AT互換機を構成するため、ゲストOSは同じである必要はないのが特徴である。例えば、1台の物理サーバ上に、Windows Server 2003、Windows NT 4.0、Linux、FreeBSDなど複数のOSを同時に稼動することが可能である。

仮想マシン
図5:仮想マシン

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野村総合研究所株式会社 松本 健
著者プロフィール
野村総合研究所株式会社  松本 健
1994年早稲田大学大学院理工学研究科卒業後、同年野村総合研究所入社。現在、情報技術本部にてシステム基盤を中心とした新技術の調査・評価を行うITエンジニアとして活動。最近ではESB/BPM/ユーティリティコンピューティング/サーバベーストコンピューティング/RFIDミドルウェアなどの調査・評価を行っている。


INDEX
第1回:サーバ仮想化の背景と種類
  はじめに
  ユーティリティコンピューティング
単一筐体型
  動的ワークロード管理