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| 情報子会社の基本戦略 | ||||||||||||
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情報子会社の基本命題として、「サービス」と「コスト」両面からの革新が求められる。まず「サービス」の側面では、グループ企業の内部をよく知る者として、深い顧客理解に基づくサービス提供力の向上とそれによるユーザ満足度向上、さらには、戦略推進・効率化推進へのより高いレベルでの関与が求められる。 また、内部に人的ネットワークを持ち、風土・文化をよく知る者として、密度の高いコミュニケーションに基づく、きめ細かなサービス提供が求められる。さらに、プロジェクトの構想時点から関与することによる全体工期の短縮や本体・グループ各社からの要請への柔軟な対応も求められている。これらの要請に応えるため、常に提供サービスを見直し、品質向上をはかっていかなくてはならない。 「コスト」の側面では、特に開発・運用などの工程を中心として、「同じ品質・納期なら外部委託よりも安く」といったコストパフォーマンスの改善に加えて、外部委託比率を下げることや、グループ企業に対するサービス提供範囲の拡大による、グループ外への資金流出の抑制が求められる。 情報子会社の基本戦略上、その基本命題の次に問題となるのがその貢献対象についてである。情報子会社は表5にあるように3つの軸足を持ちながら、貢献対象を考えていく必要がある。
表5:情報子会社に必要な3つの軸足
ここで留意すべきは、情報子会社は自立したITサービス事業者として付加価値提供を求められる場合であっても、グループの一員として本体ならびにグループ各社へのITサービス提供者という側面を逃れることはできない、という点である。ここで十分な価値貢献を果たすことができないと、最悪の場合「退場命令」が下ってしまう。 第3の論点は、いかなる価値を追求していくか、という基本戦略についてである。情報子会社は、「ローコスト・オペレーション」の追求をミッションとして与えられることが多いが、これだけでは、中長期的に保守的で企業価値が低い企業となってしまうおそれがあるからである。したがって、情報子会社は常に表6に示される3つのことを追求すべきである。
表6:情報子会社が常に追求すべきこと
情報子会社は、外部ベンダーに対する比較優位が求められるが、情報子会社の一番のアピールポイントは、「ユーザ発のITサービス企業」であることである。情報子会社は表6の3点の追求により、ベンダーにはない強みを発揮しなくてはならない。 そして、この強みを土台にして、情報子会社は自立した企業としての存在価値を発揮すべきである。すなわち、機能分社としての位置づけが明確な情報子会社の場合は、上流工程・新技術へのシフトといった「技術面の自律」や独立した法人格としての管理会計・プロジェクトリスク管理の実践といった「管理面の自律」によって、自律を果たしたといえる。 一方、親会社から「親からの発注を抑えても自分で生きていく」という厳しい要請がある場合には、親会社からの収入に依存しない「経営面での自律」を目指さなければならない。 |
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