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| イントロダクション | ||||||||||||||
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昨今、レガシーマイグレーションが話題にあがる理由の1つに、従来はRAS条件(注1)が厳しいことから、ダウンサイジングの検討対象とはなり難かった「ミッションクリティカルな基幹系システム」を適用の対象にしようとしていることがあげられる。
※注1:
Reliability:信頼性、Availability:可用性、Serviceability:保守性 基幹系システムは文字通り企業の情報システムの幹となる部分、つまり業務の中枢機能を支えているシステムである。トラブル発生時には社会的影響も大きく、場合によっては企業生命に関わりかねない性質を持つのだ。そのような理由から極めて高い信頼性が求められ、メインフレームで構築されている場合が多い。 しかしオープンシステムの広がりとともに、基幹系システムについても各種の分散技術やオープン化が進展した。そのため信頼性だけでなく、柔軟性/拡張性の拡充ならびにシステムコストの低減化を指向する機運が高まってきている。 今回はそのような基幹系システムのレガシーマイグレーションの事例として、当社が手がけた大手鉄鋼会社のA製鉄所でのメインフレーム資産(24時間365日ノンストップ稼動システム)の移行案件を紹介する。 |
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| 鉄鋼業界をめぐる経営環境の変化 | ||||||||||||||
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鉄鋼業の情報システムは膨大な数のサブシステムが稼動し、複雑なプロセスを制御している。摂氏1000度超、数千トンの圧力下という厳しい環境において、厳格な成分管理・温度管理・ミクロンオーダの厚み制御など、客先用途にあわせた化学的・物理的な特性に応じた商品の造り分けをしなくてはならない。また、各種の設備制約と複数工程の同期や複雑な物流も管理する必要があるのだ。 そして24時間365日ノンストップの連続稼動が大前提となる。かつてそれらを支えるシステムに求められたものは、第一に操業を止めない信頼性・可用性であり、より効率的に処理する性能であった。 |
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| システムをビジネスのスピードにあわせる | ||||||||||||||
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それがここ数年、システムに求められるものも大きく変わってきた。生産・物流へのタイムリーな対応、品質技術開発のスピードアップへの対応、情報の多目的活用による業務の質的向上、需要家(利用者)との直接的な活動の実現、要員の戦略的業務へのシフトなどである。つまり、経営環境やビジネスモデルの変化に応じてシステム機能の更なる高度化が要求されているのだ。 このように、刻々と変化する環境や顧客のニーズに応えようとした場合は、元々は非常に緻密かつ複雑であるシステムであったために、生産プロセスの変更や新品種への対応などの長年の改造を繰り返してきた。その結果、システムに盛り込もうとする新たな機能が全体システムに影響がでないよう、調査する時間に多大な時間を要してしまっているケースが見受けられるようになってきた。 今回事例として取り上げるA製鉄所で調査したところ、システム開発案件における他システムへの影響度合いを調査する波及調査のコストは、そのシステム開発の全体開発コストの45%を占めていた。A製鉄所ではこのような状況から抜本的に脱却するために、基幹システム刷新プロジェクトに取り組むことにしたのである。 |
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