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  徹底比較!!ERP

グローバル展開のトータルサポート - GEMPLANET

2006年6月20日(火)
菅 麻美子

お客様の信頼に応える豊富な導入実績

当社では長年にわたり、お客様の基幹業務の開発・サポートに従事し、メインフレームやオフコンなどの各種プラットフォーム上で稼働する基幹業務アプリケーションを提供してきました。

その業務ノウハウやアプリケーション開発技術や実績を活かして開発したのが、統合業務パッケージ「GEMPLANET」です。

GEMPLANETは純国産ERPとして法制度準拠はもとより、日本の商習慣を考慮した機能を装備しています。また会計業務を中心に人事、労務、販売、生産と幅広い業務をサポートし、1997年の発売以来、1,400社の企業に導入実績があります。

内部統制制度への対応

日本版SOX法施行に向けて内部統制制度に対する関心が高まっていますが、GEMPLANETでは内部統制制度の実現をアプリケーション機能とIT統制機能により支援します。

内部統制の目的である財務報告数値の信頼性を保持するためには、「正しいデータが正しい方法で漏れなく記録されること」「業務や部門間で意識するこ となく正しいデータが引継がれること」、そしてその結果として「正しい結果がアウトプットされること」が非常に重要な要素となります。

GEMPLANETは統合データベースと基本管理モジュールをベースに、各業務機能によってデータインプット(販売データの入力や仕訳登録など)からアウトプットの出力(帳票、ログ出力など)までの一括管理をサポートしています。

   会計業務の例で紹介すると、正確なデータを作成するために入口となる伝票登録画面において、入力が必要な項目表示を自動制御することで入力ミスを防止します。

   これはそれぞれの項目に対して、あらかじめ関連する項目(例えば取引先、口座など)を設定し、入力時に不要な項目を非表示とすることで誤ったデータ 入力を防止する機能です。その他に定型仕訳や先入許可月数制御、承認行為によりデータ投入時点での入力コントロールを行っています。
 

仕訳登録画面
図1:仕訳登録画面
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


   また内部統制の確立には、業務プロセス統制とアプリケーション統制の関連性が明確化された文書作成が必要となります。

   GEMPLANETでは、会計業務をベースに業務フローとコントロールマトリックスを整理し、「リスクの発生するポイント」と「リスクに対するコン トロール方法」などを文書化した「文書作成支援テンプレート(仮称)」を用意して、内部統制推進を支援するソリューションを計画中です。

完全Web対応のERP「GEMPLANET Ver.2」

GEMPLANET Ver.2は、従来のGEMPLANETより強化をはかった完全Web対応のERPとしてリリースしました。人間工学に基づいて設計されたデザイン性の高 い画面やユーザごとによく使う機能をマイメニュー登録できるなど、ユーザフレンドリーな操作性を実現しています。

メニュー画面
図2:メニュー画面
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


   その一方、業務機能を支える強力なIT基盤「GEMPLANET Ver.2フレームワーク」を確立し、GEMPLANET Ver.2がご提供する様々な機能をシステム面からバックアップします。

   例えば、昨今の企業における最重要関心項目の1つであるセキュリティ面では、ユーザや機能に対するアクセスコントロールやID/パスワード管理に加 えて、セキュリティの全体方針である「ポリシー」と、ポリシーにひも付く「ルール」という概念を導入し、組織図/日付/ユーザの3者を多元的にコントロー ルすることで機密性の強化向上をはかっています。

   またマスターは完全履歴管理しており、任意の日付で呼び出しや参照ができるだけでなく、例えば消費税率の変更が発生した場合など、あらかじめ変更内 容を設定しておくことにより、指定日を基点に新しい税率での計算に自動で切り替わるなど、運用面にも効果を発揮する機能があります。

   さらに内部統制ツールとして効果的な機能として、サービス時間管理機能があります。

   これは利用会社や業務メニュー、ユーザ単位にログイン時間制御を可能とするサービスです。前述のセキュリティを時間管理面からバックアップするとと もに、シェーアドサービスなど複数会社で利用する場合や、決算時期などのシステム運用を安全かつ効率的にコントロールすることが可能となります。

内部統制とGEMPLANET Ver.2「アプリケーション統制とIT全般統制の融合」
図3:内部統制とGEMPLANET Ver.2「アプリケーション統制とIT全般統制の融合」

EUCの充実でカスタマイズ工数を削減

   パッケージの採用にあたってお客様の関心が高い部分は、いかにノンカスタマイズで自社の運用とシステムを融合させられるかという点ではないでしょうか。

   GEMPLANET Ver.2では各種パラメーター設定による柔軟な業務環境構築に加えて、それぞれの企業の業態・規模にフィットした形でシステムを利用できるように、充実したEUCツールがあります。

   蓄積したデータベースから必要なデータを抽出し、その抽出条件が様々に組み合せ可能な本格的検索機能(GEMサーチ)や、パッケージ標準帳票以外に お客様が必要とする帳票を自由に設計・作成できる帳票作成機能(GEMレポート)を標準機能としてご用意しています。これらの機能を使用して作成した検索 条件や帳票は、名称をつけてメニューに保存し繰り返し活用することが可能です。

   さらに他のシステムとの連携が必要な場合には、連携インターフェース開発のサポート機能(GEMインポート)により、お客様が開発した業務ロジックをカタログとして取り込み、データ一括登録(バッチ)機能の標準化をはかることができます。

   お客様それぞれの独自性がでるデータ活用や帳票レイアウトの変更、他システムとの連携サポート機能をご用意することにより、カスタマイズニーズを吸収し、低コスト、低価格でのシステム導入を実現することが可能です。

   またGEMPLANET Ver.2フレームワークに基づいたアドオン開発手順の標準化によって、必要な部分のカスタマイズにスピーディーに対応し、効率的なシステムの運用/保守を行うことができます。

日立グループの生産管理ノウハウを結集「GEMPLANET/WEBSKY」

   「GEMPLANET/WEBSKY」は、長年にわたる「モノ作り」に対する製造管理技術と製造現場でのノウハウを結集し、「使いやすさ」「導入のしやすさ」「柔軟性」を兼ね備えた生産管理パッケージです。

   豊富な導入実績を誇るGEMPLANET生産管理機能を、お客様が直面している「グローバル製造への対応」「多品種・少量生産」「在庫回転率の向上」「製造コストの正確な把握」という課題解決に向け強化しました。

   また生産管理システムは業種業態により業務プロセスが異なり、どうしてもカスタマイズ工数が大きくなりがちです。この問題を解決するために、当社では導入企業の業務や業態にマッチするような業務プロセスを定義した業種別テンプレート開発に注力しています。

   現在は「電機精密テンプレート」「自動車部品テンプレート」「食品・プロセス生産テンプレート」の3つのテンプレートを展開して、今後も業種テンプレートを充実させていく計画です。

   これらテンプレートの活用により、ほぼノンカスタマイズにて導入決定から3ヶ月でカットオーバーを実現した事例もでてきています。

グローバル化への対応

   生産拠点の海外シフト化に伴い、生産管理システムもグローバルな対応を求められています。

   GEMPLANET/WEBSKYは、こうしたニーズに、日・英・中の多言語、多通貨(円、元、US$など)に対応しているだけではなく、同時に3ヵ国の言語にあわせた画面やデータを取り扱え、しかも同じシステム内で実現できる点が大きなポイントです。
 

多言語対応画面
図4:多言語対応画面
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


   具体的にはシステムにログインする際に利用したい言語を選択することで、表示項目やメニューなどの画面インターフェースはもちろんのこと、中のデー タも自動的にその言語にあわせて表示され、国をまたいだ複数事業所/工場を対象とした生産管理に対応し、リアルタイムでグローバルな受注調達・出荷管理が 実現可能となります。

   さらに中国対応においては、中国で最もシェアの高い財務パッケージ「用友」との連携や、保税区における手続き「手冊(てさつ)」と呼ばれる申請書類 の作成サポートなど、きめ細かな機能をサポートしています。また現地にサポート拠点があり、お客様の中国展開の際にはトータルに支援を行っています。

高速計画立案MRPIIエンジンを標準搭載

   外注先を含めたトータルでリアルな在庫管理の実現や、自社工場の製造子会社化、外部への生産委託など、サプライチェーンの変化への柔軟な対応も重視しています。


WEBSKY全体業務イメージ
図5:WEBSKY全体業務イメージ
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


   それを支えているのが、当社独自の高速計画立案MRPIIエンジンです。

   MRPII(Manufacturing Resource Planning)エンジンは、工程にかかる負荷を考慮しながら、より柔軟な計画を実現し「従来の約10分の1の生産計画実案時間を実現」しました。

   機能面では個別・ロットなど多種多様な生産方式や、ハイブリッド型生産方式に柔軟に対応しています。いわゆる「ひも付き」と呼ばれる部品トラッキン グ方式を採用することで、急な変更があった場合にも影響を受ける部品や工程を生産管理に反映させながら、迅速な対応と在庫削減をともに実現することが可能 です。

   他にも多様な在庫管理、自社に生産拠点を持たないファブレスへの対応、資材の有償/無償支給という日本固有の慣習を考慮するなど、お客様の生産管理業務に最適なトータルソリューションを提供しています。

   今後も機能やテンプレートの拡充をはかり、お客様の業務改革とグローバル展開をサポートしてまいります。
 

お問合わせ先
株式会社日立製作所 ゼネラルマーケットビジネス統括本部 ソリューションビジネス本部
TEL:03−5471-2388
メール:gemplanet@ml.itg.hitachi.co.jp
URL:www.hitachi.co.jp/gemplanet
日立製作所

日立製作所にてGEMPLANETシリーズの拡販に従事。

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