連載 [第6回] :
徹底比較!! O/Rマッピングツール多機能なHibernate(後編)
2006年8月28日(月)
テスト用実行クラスの作成
最後に、テスト用実行クラスを作成します。
テスト用実行クラス(HibernateExecutor.java)一部抜粋
このクラスでは、はじめにHibernate設定ファイルを読み込んでいます(1の部分)。ConfigurationクラスはHibernateの設定を保持するクラスで、configure()メソッドを実行することにより、クラスパス上にあるhibernate.cfg.xmlファイル、もしくはhibernate.propertiesを設定ファイルとして読み込みます。
次にConfigurationクラスからSessionFactoryオブジェクトを生成しています(2の部分)。SessionFactoryは1つのデータベースに対する構成情報を保持するクラスです。そして、SessionFactoryオブジェクトを使用してSessionを開始し(3の部分)、DAOオブジェクトを生成した後、各処理を実行しています。
更新系の処理を行う前にトランザクションを開始しています(4の部分)。save()やdelete()メソッドを実行しただけではデータベースに対してSQL文は発行されません。
そこで各更新系の処理が正常に終了したあと、コミットしてDBに書き込みを行っています(5の部分)。このコミットによって実際にDBに対してSQL文が発行されます。
また、異常終了の場合はロールバック(6の部分)を行い、トランザクションを無効にしています。
処理がすべて終了したらSessionを閉じて(7の部分)、SessionFactoryを閉じています(8の部分)。
また、Shainクラスから部署名を取得している箇所があります(9の部分)。これまで、ShainクラスとBushoクラスを関連付けることは一切していません。しかし、実際にこのプログラムを実行すると取得できます。なぜこのようなことが可能なのでしょうか。
Hibernate Toolsによって自動生成された「Shain.hbm.xml」と「Busho.hbm.xml」を確認してみます。
Shain.hbm.xml
<?xml version="1.0"?> |
Busho.hbm.xml
<?xml version="1.0"?>
|
この2つのマッピングファイルの以下の部分に注目してみます。
多対1の関係を表す要素(Shain.hbm.xmlより抜粋)
<many-to-one name="busho" class="hibernate.Busho" fetch="select">
|
1対多の関係を表す要素(Busho.hbm.xmlより抜粋)
<one-to-many class="hibernate.Shain" />
|
これらはオブジェクト同士の関連を設定する要素です。Javaでは、関連するオブジェクトをプロパティとして参照することで関連を保持します。
Shainクラスから見たBushoクラスの関係を多重度であらわすと多対1という関係になります。
この多対1の関係を設定したい場合には<many-to-one>要素を使用します。逆に、BushoクラスからShainクラスを見ると1対多の関係になります。この1対多の関係を設定する場合は<one-to-many>要素を使用します。
Hibernateでは、こういった設定によって関連データを自動的に取得することができます。
よって、開発者は特に意識することなく9のように関連データを取得することができます。
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