加速する中堅企業へのERP導入
基幹システムを入れ替えるタイミングで中堅企業にERP導入が進む
ベンダーは景気回復傾向がERP導入に追い風と捉えている。しかし当の中堅・中小企業は「景気回復傾向」とはいえ、微妙にまだら模様だ。
実際多くの中小企業はまだ景気回復の恩恵を授かっていないと考えている。先の調査結果からもその傾向が見えるように、現在ERP導入の中心となるのは年商「100億円以上」、従業員数では「300人以上」の中堅企業だ。
また現在避けては通れない「内部統制」や「日本版SOX法への対応」などのキーワードは、財務会計をITでしっかりと管理すること、つまり「コンプライアンス」が企業経営のプライオリティとして必須要件となっているからだ。
そして「コンプライアンス」を行う際、企業の基幹システムを見直すのに最適なアプリケーションとしてERPが重要な役割を果たすと考えているユーザは多い。その点を見据えてベンダーは「ERP導入がその解決策」としてセミナーなどで提案しているのが目立つ。
ただし現在のERPは「ビッグバン」といわれる全モジュールを一括で導入するSAPのR3に代表されるような製品とは違い、「日本型ERP」といわれる「部分導入型+追加型」、いわゆる「オフコン」的なカスタマイズを前提としたERPが主流だ。
そしてほとんどの企業が「財務・会計管理」から導入しており、まずは企業の財務・会計の透明性を高める必然性からいっても、この導入機運はうなずけ る。しかも他のモジュールと連携する必要性が高い企業規模の大きい中堅以上の企業で、より強く求められているからだ。
今、大企業の予備軍となる中堅企業にERP拡大の「くさび」が打たれようとしている。いずれこの流れは中小企業にも伝播することは間違いないだろう。
次回
次回はサーバOSの実態を見ていく。特にLinuxに対する中堅・中小企業の考えについて詳細なデータを紹介しよう。