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PMBOK2000と比べて覚えるPMBOK第3版 |
第2回:理解しやすくなった変更点のポイント
著者:イマジンスパーク 深沢 隆司 2006/8/30
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分量が増えたものの理解しやすくなったPMBOK第3版
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前回「アーンド・バリュー法の解説書であるPMBOK」の通り、PMBOK第3版は従来のPMBOK2000と比較してページ数が圧倒的に増えており、そして単純に分量が増えただけではなく、後に示すようにプロセス数/インプット/ツールと技法/アウトプットなどの様々な要素が増加していることがあげられます。
しかし全体としての統一性や理解のしやすさは高まっており、PMBOK2000と比較するとより受け入れられやすい構成になっていると思います。
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各マネジメント計画書の作成
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まずわかりやすいところでは、統合/タイム/コスト以外のすべての知識エリアで必ず最初に「〜マネジメント計画書」を作成するという、独立したプロセスを定義しています。前回でも少し解説しましたが、これらは統合マネジメントの「プロジェクトマネジメント計画書作成プロセス」の詳細説明と捉えることができます。
また「スケジュール・マネジメント計画書」と「コスト・マネジメント計画書」はプロジェクトの初期段階の「プロジェクトマネジメント計画書作成プロセス」で作成されるものであり、「それぞれの知識エリアで独立した作成プロセスはない」という考え方についても自然で理解しやすい根拠となっています。
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主要ドキュメントについて
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続いて主要ドキュメントについて解説します。
PMBOK2000では、プロジェクト憲章やプロジェクト・スコープ記述書はプロジェクト計画書に含まれる形で記述されていました。
それに対してPMBOK第3版では、プロジェクト憲章とプロジェクト・スコープ記述書はそれぞれ独立した主要な文書となっています(75ページ)。そして「プロジェクト計画書」の名称が「プロジェクトマネジメント計画書」と変更されています。
この変更点は、それぞれのドキュメントを明確に分けることによって、それらを作成する活動の意味も明確に分けることとなり、実は重要です。
「プロジェクト憲章」ではプロジェクト発足の目的やプロジェクト・マネジャーを明確にし、「プロジェクト・スコープ記述書」はプロジェクト・スコープの目的を実現するために具体的に何を作るのか、またどういった行動や活動を行う必要があるのかということを明確にします。
そしてそれらを実際に実現するにあたって、どのようにマネジメントを行っていくのかを記述したものが「プロジェクトマネジメント計画書」となります。
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著者プロフィール
株式会社イマジンスパーク 深沢 隆司
株式会社 イマジンスパーク 代表取締役
陸上自衛隊少年工科学校第25期生。対空戦闘指揮装置の修理要員として自衛隊に勤務。退職後に一部上場企業や官庁でのシステム開発等で仕様策定、プロジェクトマネジメントに従事し、独自の手法で成功に導く。著書は『SEの教科書』他。
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