メッセージング&コラボレーションソフトウェア「Scalix」は圧倒的なシェアを誇るMicrosoft Exchangeに代わる新しいメールシステムとして米国、欧州を中心に急速に浸透している。2007年2月の日本語版の正式に販売開始を前に、Scalixの戦略や製品概要についてうかがった。第1回の今回は、Scalixがこれまでのメールシステムと何が違うのかを明らかにする。
— Scalix Corporationについて教えてください
ブラウワー氏:
Scalix Corporationは米国カリフォルニア州サンマテオにある企業で、ニューヨークやシカゴ、日本、イギリスにもオフィスがあり、グローバルに活動しています。さらにLinuxリセーラーを通じ、世界中でメッセージング&コラボレーションソフトウェア「Scalix」を販売しています。
「メールシステムをもっと自由に使いたい」「メールシステムの選択肢を広げたいという」企業のニーズに応えるため、2003年に設立されました。企業として「オープンであれ」というポリシーを掲げ、「Scalix Collaboration Platform」をはじめ、すべての製品でオープンスタンダード準拠を実現しています。
オープンスタンダードに準拠することで、既存のメッセージクライアントやインフラ、アプリケーションの統合を実現するとともに、豊富なプラットフォーム上で稼動することができます。さらに、機能拡張やローカライズ、カスタマイズの面での柔軟な対応が可能です。
Scalix Collaboration Platformでは、一般に広く利用されているMicrosoft Outlook(以下、Outlook)に搭載されたすべての機能をサポートしていますし、アクティブディレクトリ以外のディレクトリシステムを使ってMicrosoft Exchange(以下、Exchange)と共存させることもできます。
これらの特徴を実現するために、Lotus cc:MailやLotus Notes、Critical Pathなど代表的なメールシステムの技術開発を支えてきたメンバーが、Scalixの経営陣として参画しています。
現在Scalix Corporationは55カ国以上の国の425を超える企業でサービスを展開しています。そこで利用されているメールボックスは100万個を超え、さらに無償の「コミュニティエディション」はこれまでに6万回以上ダウンロードされています。コミュニティフォーラムには3,000人以上のアクティブメンバーが活動しており、今もっとも勢いがあるLinuxベースのメールシステムといえるでしょう。
図1:多様なクライアント環境に対応するScalix (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
— Scalix製品のラインナップについて教えてください
ブラウワー氏:
「エンタープライズエディション」「スモールビジネスエディション」「コミュニティエディション」の3つのエディションを用意しています。メール機能とグループカレンダー機能はすべてのエディションに共通して利用可能です。
- Scalix エンタープライズエディション
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- Collaboration Platform の提供するメールやスケジュール機能のすべてが利用可能
- 複数サーバに機能を分散でき、大規模サイトに対応
- フェールオーバークラスタ構成をサポート
- Exchangeからの移行ツールを提供
- 契約に応じた数のプレミアムユーザと無制限のスタンダードユーザ
- アップデートを提供するサブスクリプションサービスを提供
- Scalix スモールビジネスエディション
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- Collaboration Platform の提供するメールやスケジュール機能のすべてが利用可能(50プレミアムユーザまで)
- 25ユーザ単位でのプレミアムユーザのライセンス追加が可能
- 無制限のスタンダードユーザ
- Exchangeからの移行ツールを提供
- ライセンスキーの購入のみでコミュニティエディションからアップグレード可能
- アップデートを提供するサブスクリプションサービスを提供
- Scalixコミュニティエディション
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- 無償で利用可能
- Collaboration Platform の提供するメールやスケジュール機能のすべてが利用可能(25プレミアムユーザまで)
- 無制限のスタンダードユーザ
- ライセンスキーの購入のみでスモールビジネスエディションにアップグレード可能
表1:大企業から中小企業、無償版までカバーするScalix製品のラインナップ
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