Scalixs社はなぜオープンソースで製品を展開することを選択したのだろうか。オープンソース化することのメリット/デメリットについてうかがうと、将来を見据えた同社の戦略が見えてきた。また「2007年はScalixが日本市場を席巻する」と息巻くBrouwer氏に日本で展開するための方策についてうかがった。
— Scalixはオープンソースとして公開されていますが、どのようなライセンスに基づいているのでしょうか
ブラウワー氏:
現在ScalixはMPL(Mozilla Public License)から派生したライセンスの下で、Collaboration Platformのソースコードを公開しています。
MPLはパートナーや開発者、ユーザが最大限自由に利用でき、コミュニティ上で開発できるライセンスであることから採用を決めました。特にMPL派生ライセンスでは、オープンソースの自由な要素をすべて維持しながらも、オープンソースと非オープンソースのモジュールの統合を認めています。
基となったMPLでは、将来コンポーネントをMPLでリリースできることを保証するため、Mozilla Corporationを特別な地位に位置付けています。この点に関しては修正が必要だったため、派生版のMPLを採用しました。
— Scalixはいつからオープンソース化したのでしょうか
ブラウワー氏:
2005年8月にCollaboration Platformを「コミュニティエディション」としてパッケージ化し、無償公開を開始しました。
Scalixはもともとヒューレッドパッカードが開発した「HP Open Mail」という技術をベースに開発されたもので、現在はScalix Corporationが継承しています。このHP Open Mailを拡張したソフトウェアのソースコードをオープンソース化することを2006年7月にヒューレットパッカードと合意し、その後すぐにScalix Collaboration Platformのソースコードの一部をオープンソースとして公開しました。
Scalix Collaboration Platformには、メールサーバ、マネジメントコンソール、Webサービスプラットフォーム、モバイルWebクライアント、検索/インデックスサービス、インストーラ、ローカライゼーションキットを含んでおり、Scalix製品のすべてのプロダクトの基盤となっています。
なお、2007年第1四半期までにすべてのソースコードをオープンソースとして公開する予定です。
図1:Scalixは日々進化する (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
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