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| はじめに | ||||||||||
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2006年も残すところあとわずかというところで、ここ1年の中堅・中小企業のIT投資動向を振り返り、2007年の行方を探っていこう。 今年を振り返って、「残念ながら今年も中堅・中小企業へのいわゆる戦略系の新ITの導入は芳しくなかった」と落胆すべきか、「基幹系業務ITは着実に導入が進み、ERPに向かう中堅・中小企業も増えはじめ、基幹システムの刷新は着実」と評価すべきか、正直悩むところである。 「戦略系の新IT」とは、SCM、SFA、CRM、ナレッジマネジメント、CTI、ASPなどを指しているが、すでに「新」という修飾語を冠すことすら、「名前としては」決して新しくはなくなってきている。端的に「イメージとして」は、「漠然とした先進性」を持ったバズワードとして定着した。もしくは、自社には必要がないと割り切っている企業もあるかもしれない。 アナリストとしてもこういった戦略系ITについて、中堅・中小企業には「一向に導入が進まない」という論調から、「必須のITではない」という論調へ転換を迫られる時期も近いような気もする。 一方、漸次好調な伸びを見せるのが財務会計や人事給与といった基幹系業務IT、そしてERPである。またグループウェアなどの情報系ITについても然りだ。 もっと巨視的に2006年を振り返るならば、「IT投資を重ねた大企業が自社に張り巡らされたITシステムの構造を見失い、そのためガバナンスを必要としており、さらに投資を重ねることになっている」といえるだろう。だからといって「IT投資に慎重(効果の見えやすいものから順に導入)な中堅・中小企業が、ITの恩恵を享受できている」という訳でもない。 日本版SOX法施行を前にコンプライアンスの強化を煽られ、「内部統制強化のための新たなITシステム」を駆使しようという風潮が目立つ中、中堅・中小企業は、同法や内部統制といったものを門外漢と捉えるというよりは、「これを何か別のITで解決しなければならないのか、いや既存の枠組みで見直すべきだ」と自問自答する向きが多いことと思われる。 「IT供給そのものがIT需要を生み出す」という大企業独特の動きに、中堅・中小企業は確実に一線を画しており、内部統制やITガバナンスを売り文句にしたITシステムの受けがイマイチであるのも無理はない。 IT市場の成長という観点からすると若干の不透明感も否めないが、今回は次の論点に的を絞って話をしていきたい。
表1:今回の論点 |
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