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RHEL5+Xen
Red Hat Enterprise Linux 5の仮想化

第1回:Linux市場に押し寄せる仮想化の波

著者:日本ヒューレット・パッカード  平 初   2007/6/7
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サーバOSの仮想化時代がやってきた

   米国時間の5月14日、Red Hat社から「Red Hat Enterprise Linux 5」がリリースされました。今回から標準搭載された仮想化技術「Xen」は、オープンソースソフトウェアで提供される仮想マシンソフトウェアの1つです。

   Red Hat Enterprise Linux 5がリリースされたことによって、主要なサーバOSがすべて仮想化に対応したことになります。Windows Server 2003の「Virtual Server」、Solaris 10の「Solaris Zone」、そしてRed Hat Enterprise Linux 5の「Xen」と、様々な選択肢がでてきました。また仮想化を語るうえでは、仮想マシンソフトウェア自体がOSになっている「VMware Infrastructure 3」も忘れてはいけません。

   この記事では仮想化に関する基礎的な内容は説明しません。このため、基本的な仮想化に関する内容は以下を参照してください。
オープンソースXenによるサーバ仮想化
第1回:仮想マシンとサーバ仮想化について


Advanced PlatformとServer

   今まで「Red Hat Enterprise Linux AS」と呼ばれていた製品は「Red Hat Enterprise Linux Advanced Platform(以下、Advanced Platform)」に、「Red Hat Enterprise Linux ES」と呼ばれていた製品は「Red Hat Enterprise Linux Server(以下、Server)」と、それぞれ名称が変更されました。

   この両製品ともに仮想化に対応しているのですが、サポートされるゲストOSの数に違いがあります(表1)。

項目 Red Hat Enterprise Linux Advanced Platform Red Hat Enterprise Linux Server
サポートされるゲストOSの数 無制限 4
管理ツール Red Hat Network、Virtual Machine Manager、Conga cluster/storage GUI Red Hat Network、Virtual Machine Manager
クラスター機能 GFS、Cluster LVM なし
サーバのCPU数の制限 無制限 2ソケットまで

表1:両製品の仮想化機能の違い

   Advanced PlatformではゲストOS数が無制限なのに対して、Serverでは4つまでしかサポートされません。

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日本ヒューレット・パッカード株式会社 平 初
著者プロフィール
日本ヒューレット・パッカード株式会社  平 初
テクニカルセールスサポート統括本部 ESSビジネス推進本部
Bladeビジネス推進部 BladeSystem SWAT
仮想化技術を啓蒙するため、2006年に日本ヒューレット・パッカードへ転職。いつもはHP BladeSystem c-Classおよび仮想化技術を含む提案支援を主に扱っている。セミナーや客先訪問で忙しい毎日を送っている。


INDEX
第1回:Linux市場に押し寄せる仮想化の波
サーバOSの仮想化時代がやってきた
  Red Hat Enterprise LinuxのXenはライセンスが優遇される
  Red Hat Enterprise Linux 5だけのアドバンテージ