TomcatをLinuxへインストールしよう!(圧縮アーカイブ編)

2007年10月1日(月)
羽倉 敬

Tomcatのインストール

それでは具体的に、LinuxへTomcatをインストールする手順を説明していきましょう。

実際に公開用のWebサーバとしてTomcatを利用する場合は、root権限でTomcatを実行しないようにしてください。万一rootで実行しているTomcatに侵入された場合、システム全体への無制限のアクセスを許すことになってしまいます。Tomcat用のユーザアカウントは、 Tomcatの実行に無関係なファイルやディレクトリへのアクセス権限を持つグループのメンバとしないようにしましょう。

圧縮ファイル解凍によるインストール

   Tomcatは各プラットフォームに共通のバイナリパッケージが用意されており、簡単にインストールを行うことができます。

Tomcat用ユーザの作成

まず最初にTomcatを実行するユーザを作成します。今回は「TomcatUser」という名前にしました。rootでログインし、下記のコマンドを実行します。

# /sbin/useradd TomcatUser

するとユーザ「TomcatUser」が追加され、専用ディレクトリとして「/home/TomcatUser/」が作成されます。これ以降の操作は基本的に、このTomcatUserでログインして行います。

JRE_HOMEの設定

Tomcatが使用するJavaを指定するため、環境変数「JRE_HOME」を設定します。今回はJREが「/usr/java/jre1.5.0_12」にインストールされたものとして、次のコマンドを実行します。

# export JRE_HOME=/usr/java/ jre1.5.0_12

ログイン時に自動的にJAVA_HOMEが読み込まれるようにするには、ユーザのホームディレクトリの.bash_profileに次の行を追加します。

export JRE_HOME=/usr/java/ jre1.5.0_12

Tomcatのダウンロード

Apache Tomcat 5.5のページから「apache-tomcat-5.5.23.zip」をダウンロードしましょう。

Apache Tomcat5.5のページ
http://tomcat.apache.org/download-55.cgi

Tomcatのインストール

ダウンロードしたZIPファイルを展開します。

# unzip apache-tomcat-5.5.23.zip

展開したファイルを適当なディレクトリに移動します。今回は/home/TomcatUser/直下に配置しました。

# mv /Tomcatダウンロードディレクトリ/apache-tomcat-5.5.23 /home/TomcatUser/

Tomcatのbinディレクトリの中に移動します。

# cd /home/TomcatUser/apache-tomcat-5.5.23/bin

スクリプトに実行権限を与えます。

# chmod +x *.sh

Tomcatインストール先へのシンボリックリンク/home/TomcatUser/tomcatを作成します。

# ln -s /home/TomcatUser/apache-tomcat-5.5.23/ /home/TomcatUser/tomcat

Tomcatのパスをシンボリックリンクで管理することで以下のような利点があります。

  • 環境変数などを一切変更せずにバージョン変更ができる
  • インストール済みのバージョンがすぐわかる
  • 使用バージョンがすぐわかる
表3:Tomcatのパスをシンボリックリンクで管理する利点
株式会社ビーブレイクシステムズ

千葉大学法経学部卒業。大学時代よりオープンソースに興味を持ち、オープンソース専業ベンダーのビーブレイク システムズに入社。現在に至る。また、現在は社内技術サークルの中心メンバーとして日々提案・啓蒙活動を行う。座右の銘は「自らが求めてつくらなければ、 自身が求めるものはできない」

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