試験工程で利用可能な機能を比較する!
プロファイリング
Eclipseでは、TPTP(Test & Performance Tools Platform)を使用することでプロファイリングを行うことができます。
TPTPはテストを総合的に支援するプラットフォームで、プロファイリングのほかにも、以下の機能などが備わっています。
- ログ解析
- アプリケーションサーバやCPU・メモリ使用率などのモニタリング
- JUnitテストクラスの作成・実行
なおTPTPはEclipse3.3の各パッケージには含まれていないため、Europaの更新サイトからインストールしなければなりません。
TPTPのプロファイリングでは、実行時間やメモリ使用状況などの計測を行えます。実行時間の計測ではメソッド別の実行時間や呼び出し回数、さらに メソッドの詳細として選択したメソッドの呼び出し元や呼び出し先となるメソッドについても実行時間などを確認できます。
なおTPTPについては、インストールから各機能の使用方法まで、以下の記事で詳細に解説されていますので、興味のある方はご参照下さい。
JDeveloperでのプロファイリング
JDeveloperには標準でプロファイラ機能が備わっています。JDeveloper 11gのプロファイラ機能では、CPUとメモリについてプロファイリングを行うことができます。
メモリプロファイラではクラスやスレッド別に使用状況や解放状況などを確認できます(図13)。
CPUプロファイラではスレッドやメソッド単位に実行時間や使用状況などを確認することができます(図14))。
またJDeveloper 10gではプロファイリングを行う際、OJVM(Oracle Java Virtual Machine)上で実行する必要がありましたが、JDeveloper 11gではその必要はありません。
まとめ
連載の最終回となる今回は試験工程で利用できる機能を中心に紹介してきました。
Eclipseのメリットとして、標準でJUnitが利用できる点や、本稿でもいくつか紹介したように様々なオープンソースのプラグインの中から、 開発時の要件に合ったものを選択し利用できる点があげられます。一方JDeveloperでは、JUnitは拡張機能となっているものの、今回紹介できな かったもの以外にも多くの機能が標準で提供されています。プラグインの調査やバージョン間の相性問題などに時間を費やさずに、開発時に役立つ様々な機能を 標準で利用できる点がメリットといえるのではないでしょうか。
本連載では、EclipseとJDeveloperの機能について、フェーズごとに分けて紹介してきました。今やIDEは設計から開発・試験までシ ステム開発におけるすべてのフェーズをカバーするツールとなっています。開発を円滑に進めていくためには、使用する技術や採用するフレームワーク、関連す るミドルウェアなど、開発するアプリケーションの特性を考慮して作業しやすいIDEを選択することが重要だといえるでしょう。本連載が読者の皆様のIDE 選定の一助となれば幸いです。
(監修:NTTデータ先端技術株式会社 竹添 直樹)