レッドハットがRHEL Atomic Hostでコンテナ戦略を推進、OpenSSL更新版が公開、ほか

2015年3月27日(金)
吉田 行男

こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。

今週は、先週と打って変わって寒い日が続きましたが、今週末は暖かくなりそうです。また、各地の桜の開花情報も聞こえてくるようになり、そろそろ、春本番の様相になってきました。

今週も注目すべきトピックをまとめましたので、ゆっくりとご覧下さい。

レッドハットが「RHEL Atomic Host」発表、コンテナ戦略を推進

「RHEL Atomic Host」は、フルコンポーネント版のRHELから、Linuxコンテナの実行環境として必要なコンポーネントだけを抜き出して構成された、「RHEL」のサブセット版OSです。今回はもう1つ、アプリケーションのLinuxコンテナ環境への移行を促進するために、ISVパートナーを支援するエコシステムプログラムが発表されています。 年内100社を目標に、どういう共通業務でコンテナが活用できるか、どういう業種でコンテナを使えば業務が変革できるのか、といったエコシステムを作っていきたいとのことです。
(参照記事:http://ascii.jp/elem/000/000/991/991050/summary.html?rss

OpenStackのSUSE版、分散仮想ルーティング実装--ノード追加で自動拡張

「SUSE OpenStack Cloud 5」は、新たなネットワーキング機能とサードパーティのOpenStackネットワーキングプラグインのサポートが加わりました。特に、分散仮想ルーティングの実装に対応しており、個々のコンピュートノードは、ルーティングのタスクを個別もしくはクラスタとして処理できるようになりました。また、インストールフレームワークが強化されており、実行中の既存サーバをクラウド環境へとシームレスに組み込めるようになります。ちなみに、ハイパーバイザは、「KVM」と「Xen」の最新版を利用できます。
(参照記事:http://japan.zdnet.com/svc/nls/?id=35062009

今なぜApache Sparkが急成長しているのか…各種現場での実用速度を達成したビッグデータ分析

U.C. BerkeleyのAMPLabで2009年にローンチしたApache Sparkは、最近の1年半で急激に人気を高めています。Sparkのコントリビュータは2014年で500名近くになり、Apache Software Foundationと世界中のオープンソースのビッグデータプロジェクトの中でもっともアクティブなプロジェクトになっています。2016年ごろまでには、さまざまな業種の、これまでよりも多くの企業が、Sparkがもたらす価値を理解するようになるだろうと言われています。
(参照記事:http://jp.techcrunch.com/2015/03/20/20150319on-the-growth-of-apache-spark/

米国Microsoft、「MSBuild」をオープンソース化

米国Microsoftは、「Microsoft Build Engine(MSBuild)」をオープンソースとして公開しました。「MSBuild」は、ビルドに必要なソースコードやその処理方法などを記述することで複雑なソフトウェアのビルドプロセスを自動化するためのツールで、「.NET Core Libraries」と「.NET Core Runtime」の両オープンソースプロジェクトのビルドにも利用しています。「Visual Studio」は「MSBuild」を利用しますが、「MSBuild」は「Visual Studio」には依存しておらず、「Visual Studio」がインストールされていない環境でも製品のビルドやオーケストレーションが可能です。ただし、現状では「MSBuild」自体のビルドには、「Visual Studio 2015」が必要とのことです。
(参照記事:http://sourceforge.jp/magazine/15/03/21/070300

「OpenSSL」の更新版が公開——「Heartbleedほど悪くない」

「OpenSSL」の更新版が予告通り3月19日に公開されました。危険度「高」に分類したサービス妨害(DoS)の脆弱性を含め、計14件の脆弱性が修正されていますが、危険度の高いDoSの脆弱性は、「OpenSSL1.0.2」のみに存在します。残りの脆弱性に影響を受けるのは、0.9.8〜1.0.2の各バージョンで、それぞれ1.0.2a、1.0.1m、1.0.0r、0.9.8zfで問題が修正されました。この「OpenSSL」の脆弱性修正を受け、Red HatやUbuntuなどの主要Linuxディストリビューションも対応する更新版を公開しました。
(参照記事:http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1503/20/news045.html

◆編集後記◆

春は、卒業式をはじめ、いろいろな人たちとの別れのシーズンです。弊社もこの4月1日に分割・再編で、一気に半分くらいの規模になります。今までお世話になった役員も退任されることになり、先日慰労会に行ってきました。200人を超える出席者でとても盛大な会でした。4月から、進む道は分かれるかもしれませんが、これまでのいろんな方々とのつながりを大事にしていきたいものです。

2000年頃からメーカー系SIerにて、Linux/OSSのビジネス推進、技術検証を実施、OSS全般の活用を目指したビジネスの立ち上げに従事。また、社内のみならず、講演執筆活動を社外でも積極的にOSSの普及活動を実施してきた。2019年より独立し、オープンソースの活用支援やコンプライアンス管理の社内フローの構築支援を実施している。

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