もふもふちゃん、コミックマーケットにいく!
Chap1:基礎知識編
「自分が知らない技術を探すなら、技術同人誌だよね!サークルの人に直接質問できるのも本当にありがたいしね。技術同人誌をもっと探したいけれど、技術書典以外に即売会はないのかな??」
もふもふちゃんのように、技術同人誌をもっと探したい!サークル参加者と交流したい!という人には「コミックマーケット(通称コミケ)」をおすすめします。
「コミックマーケット、SNSやニュースでは見たことがあるな。でも人が多そうだし、よくわからないからちょっと怖いんだよな…」
もふもふちゃんの言う通り、コミックマーケットは規模が大きいため参加するのに気後れしてしまいます。しかし、規模が大きいということは、たくさんの同人誌が一堂に集まる場所だと言い換えることも可能です。これは!という同人誌に出会えるチャンスをもふもふちゃんと一緒に増やしてみませんか?
コミックマーケットってなーに?
「コミックマーケットはアニメや漫画の2次創作同人誌を売っている場所でしょう?」と思っている方も多いかもしれません。しかし、コミックマーケットは オールジャンル=全てのジャンルのサークルが参加できるタイプの即売会です。
ここで言う全てのジャンルとは、
一次創作:自分で世界観・キャラクターを作成し、作品をつくる
二次創作:原作が存在する世界観・キャラクターに関する作品を作成する
評論:特定の対象についての本
その他:アクセサリー・立体創作物・人形・音楽作品・映像作品・ゲームなどの作成と販売
など、多岐に渡ります。これら全てのジャンルのサークルが一堂に会する即売会、それがコミックマーケット(通称コミケ・コミケット)です。
オールジャンル即売会ですから、参加者は他の即売会と比較にならないくらい多いです。最近は海外からの参加者も多く、コミックマーケットの存在は世界にも知られるようになってきています1。
コミックマーケット93の参加者数は、一番少ない日でも16万人が参加しており2、これは世界でも競合がないくらいの即売会となっています。
では、技術同人誌はどのジャンルに属するのでしょうか?
何日目に参加すれば、技術同人誌は手に入るの?
・同人ソフト(8/10(金):1日目)
・評論・情報(8/12(日):3日目)
技術同人誌を取り扱うサークルは、この2種類のどちらかに属していることが多いようです。どのジャンルがコミックマーケットの何日目に配置されるかは、公式HPを見るとわかります。
この表を初めて見る方は表の参照方法に戸惑ってしまうかもしれませんが、慣れれば簡単です。一番左側の列がコミックマーケットの何日目かを示しています。真ん中はジャンルコードといって、サークルが申し込みをするときに記載する番号です。一般参加者には関係がないのでここでは無視してもらって構いません。一番右側の列が具体的なジャンル名です。ですので、
1. 技術同人誌が属するジャンル名(同人ソフト or 評論・情報)を探す
2. 左側の列を参照し、何日目にそのジャンルが配置されるかを把握する
3. コミックマーケットの開催日程と付き合わせ、お目当てのジャンルが何日目に配置されるかを割り出す
この流れを踏めばお目当てのジャンルが何日目に配置されるか知ることができます。どんなプログラミング言語やプロダクトにも特色や癖があるのと同じように、コミックマーケットのジャンル表にも独特の仕様があります。普段のエンジニアリング力を活かして仕様を把握し、お目当てのジャンルの日付を割り出しましょう。
技術書典との違いはなに?
「技術同人誌をメインに取り扱う即売会には技術書典もあるけれど、何が違うんだろう?技術書典だけに参加すればいいんじゃないかなあ?」
もふもふちゃんが疑問に思う通り、技術書典は技術同人誌を多く取り扱う即売会です。しかし、両者には大きな違いが存在します。
コミックマーケットは"個人の表現の場所"
技術書典では企業が個人と同様にサークルとして参加できます。出版社がブースを出して商業本を販売しているのはその代表例です。なぜならば、技術書典は
新しい技術に出会えるお祭り
(公式HPより引用)という位置付けであり、技術の発展を支援する企業と個人の区分けは重要ではないからです。
しかし、コミックマーケットでは企業がサークルとして参加することは認められていません。企業がコミックマーケットに参加する場合企業ブースとして個人とは別の枠組みで参加する必要があります。これはコミックマーケットの理念は参加者の表現の可能性を広げるための場として運営されており、(「コミックマーケットとは何か?」、p37より)技術の発展のための場ではないからです。
コミックマーケットの主体はあくまでも個人の表現内容です。なので、商業本や商業販売されているグッズをサークル内で取り扱うことは明確に禁止されています。これが技術書典との大きな違いになります。
つまり、各個人の技術者から滲み出た汗と涙の結晶だけが本という作品となって並んでいる場所、それがコミックマーケットの技術系サークルなのです。
(2ページ目に続く)
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