Eclipse3ではじめるJava Webアプリケーション開発 9

S2Daoの環境設定

S2Daoの環境設定

   それでは、実際にS2Daoを使ってみましょう。まず、S2Daoの入手と設定から説明します。

ダウンロード

   SeasarプロジェクトのWebページ(http://www.seasar.org/)より、S2(Seasar2)およびS2Daoをダウンロードします。ここでは、執筆時点の最新版のS2.1.11およびS2DaoV1.0.18をダウンロードしました。

   ダウンロードしたファイルを適当なディレクトリに展開します。これらは、データベースサービスのように別途起動するタイプのツールではなく、JARファイルをアプリケーション内にコピー(あるいは直接外部のクラスパスを指定)して利用します。

Eclipseプロジェクトの作成

   プロジェクトは通常のJavaプロジェクトとして作成します。ここではmys2daoという名前で、プロジェクト・レイアウトは「別のソースおよび出力フォルダ」として作成しました。

必要なファイルのコピー

   プロジェクト以下に、次のようなファイルを作成していきます。
必要なファイルの準備
図3:必要なファイルの準備

   まずJARファイルをコピーします。プロジェクト直下にlibという名前のフォルダを作成し、クラスパスに必要なJARファイルをコピーします。コピーするJARファイルは以下のものです。

  • seasar2/lib以下のJARファイル
  • s2dao/libのs2-dao-xxx.jar

   その他に、JDBCドライバもコピーします。ここではHSQLDBを利用しますので、 seasar2/libにあるものをそのまま利用します(JDBCドライバはDBとバージョンが違うと動作しない場合があるので、正しくは、JDBCドラ イバは別にコピーした方がよい)。そして、コピーしたJARファイルをEclipseプロジェクトのクラスパスに通します。

   最後に設定ファイルをコピーします。s2dao/srcにある、以下のリストのファイルをsrcフォルダにコピーします。これらは自前で全部書いてもよいのですが、ここではサンプルのファイルを利用していきます。

  • dao.dicon
  • j2ee.dicon
  • log4j.properties

   以上で環境の準備は完了です。

S2Daoの利用

   S2Daoを利用する環境が整いましたので、DAO、DTOおよびクライアントの作成を行いましょう。

DBテーブル

   ここでは、データベースは第7回で作成したものをそのまま利用します。一応スキーマを示しておくと、以下のような簡単なテーブルです。

利用するDBテーブルのスキーマ

create table video (
title varchar(100) primary key,
price integer
);

 

DTOの作成

   このVIDEOテーブルに対応するDTOを作成します。ソースコードは以下のリストのようになります。このクラスは、title、priceという名前のプロパティー(ゲッター、セッター)を持つJavaBeansです。

   ここでTABLEという名前のstaticフィールドがありますが、これはこのクラスがVIDEOテーブルに対応することを示しています(定数で情 報を埋め込んでいるので「定数アノテーション」と呼ばれます)。なお、この場合、DTOクラス名とテーブル名が同じなので省略できます。 toString()はデバッグ用です。


リスト3:Video.java

package hoge;

public class Video {

public static final String TABLE = "VIDEO";

private String title;
private int price;

public String toString(){
return super.toString()
+ ",title=" + title
+ ",price=" + price
;
}

public int getPrice() {
return price;
}

public void setPrice(int price) {
this.price = price;
}

public String getTitle() {
return title;
}

public void setTitle(String title) {
this.title = title;
}
}

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