新しいSOAの実装方法「クライアント型SOA」のすすめ 8

クライアント型SOAが実現するBtoBクライアント

はじめに   本連載も今回でいよいよ最終回となります。当初は4回の連載でしたが、ふたを開けてみると思いのほか評価をいただき、倍の8回の連載となりました。最後まで読んでいただいた方々には本当に感謝しております。

吉政 忠志

2006年5月31日 20:00

はじめに

   本連載も今回でいよいよ最終回となります。当初は4回の連載でしたが、ふたを開けてみると思いのほか評価をいただき、倍の8回の連載となりました。最後まで読んでいただいた方々には本当に感謝しております。

   また本連載を執筆するにあたって、非常に多くの方々に協力を賜り大変感謝しております。改めてこの場を借りて深く御礼申し上げます。ありがとうございました。

   さて最終回ですが、クライアント型SOA(筆者の会社ではクラ・ソアと略しています)の今後の方向性について触れてみたいと思います。

クライアントの変遷

   まずは図1のクライアントの変遷をご覧ください。

クライアントの変遷
図1:クライアントの変遷
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   クライアントソフトウェアの操作性や表現力は技術の発展とともに飛躍的に向上し、またクライアント自体もネットワークやハードウェアの成長もあいまって、非常に躍進的な進化を遂げています。

   しかしながら、ネットワークの接続先は基本的に1サーバを念頭に考えられたものが多く、複数のサーバにまたがった作業を行う際は、何個ものクライアントソフトウェアを立ち上げながら作業をするといった前時代的な操作を強いられます。

   さらにサーバおよびクライアント同士は完全に切り離されていますので、各サーバにまたがった一連の作業を行う際には、一度クライアント側にデータを 保存して手作業で操作をつないでいかなくてはなりません。現在この状況が常識になってしまっているため、それほど不満がでてきてはいないようですが、解決 されれば相当便利になるはずです。

   ソリューションプロバイダ側はどうしても「クライアントとサーバを1セットに考える」傾向があります。それはそもそも、自分自身が設計していない他 システムとの接続を考慮したくないということだと思います。考えてみれば当然かもしれませんが、これは自分自身が設計していないシステムは保証のしようが なく、サポートがタイトになるのでソリューションプロバイダが避けたがるのは仕方がないかもしれません。

   確かに今までは、企業の内部に存在するクライアントは自社内のサーバだけを考えていればよかったのかもしれません。しかしながら、ここまでシステム とネットワークが進歩した今はBtoBシステムが当たり前になってきており、社外システムとの接続は考慮しなくてはならないはずです。

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