はじめに
今回はLifeKeeperの応用編として、管理上役立つログ解析の方法からフェイルオーバーの発生を通知するSNMPの設定について解説する。
基本的にはLifeKeeper for Linuxを中心に話を進めるが、Windows版でのログの確認方法やSNMPの設定方法についても簡単に解説するので参考にしていただきたい。
LifeKeeper for Linuxのログの出力について
LifeKeeper for Linuxにおけるログの出力は、本連載の「第9回:コマンドライン操作」ですでに紹介した「lk_log」コマンドによる出力の他に、syslogdによって/var/log/messagesに書き込まれるものと、SNMPの設定をした場合のSNMPトラップがある。
lk_logではLifeKeeperの監視や切り替わり時の処理内容と結果などのLifeKeeperの情報を確認できる。そのため、 LifeKeeperを運用している際に発生した切り替わりや障害などについて詳細に解析する必要がある場合に利用するとよい。
一方、/var/log/massegesやSNMPトラップに出力されるメッセージは、LifeKeeperの切り替わりやコミュニケーションパ スの切断などの発生と復旧の結果のみが出力される。よって運用時には、/var/log/massegesが出力されるメッセージやSNMPトラップを使 用して監視し、イベントが発生した場合にはlk_logからその原因などについて解析を行っていくとよいだろう。
以下lk_logの出力を中心に解説する。
lk_logは同様の内容の表示をGUIでも行うことができるが、コマンドの出力を利用すると検索などもかけられるため解析しやすい。 LifeKeeper for Linuxの場合、ログはいくつかの種類に分けられており、ログを出力させる場合はログの種類を指定する必要がある。
この点も本連載の「第9回:LifeKeeperのコマンドライン操作」 で述べているが、ログはその種類ごとに保存できるサイズが決められている。決められたサイズを超えた書き込みがあった場合、最も古いログから削除される。 このサイズはLifeKeeperの設定ファイルである/etc/default/LifeKeeperに記述されている。以下はその例である。
LOGFILE=log:2048
LOGFILE=TTYLCM:256
LOGFILE=LCM:1024
LOGFILE=LCD:512
LOGFILE=remote_execute:512
LOGFILE=SNMP:512
LOGFILE=GUI:1024
記載されている数字がログのサイズであり、単位は1ブロック512単位になっている。ログの種類や古いログから消されていく設定については変更する ことはできないが、ログのサイズは変更することができる。なお最大のサイズは2GBで、変更した値を有効にするにはLifeKeeperの再起動が必要で ある。
lk_logで指定するログの種類で最もよく使用されるのが「log」である。
「log」はLifeKeeperのほとんどの動作について確認できる。その中でも今回は「コミュニケーションパスに関するログ」「リソースの起動や停止」「監視に関するログ」を紹介する。