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LifeKeeper for Linuxでイベントがあった場合にメールを送信するよう設定す

LifeKeeper for Linuxでイベントがあった場合にメールを送信するよう設定す

   リモートからLifeKeeperを監視する方法として、メールで管理者にイベントを通知する方法がある。

   2006年2月の時点で最新のバージョンであるLifeKeeper for Linux 5.1.2から、LifeKeeper上で障害などが発生した場合、メールで管理者に通知するように設定することが可能である。

   設定方法を紹介するので、検証環境などでお試しいただきたい。なおメールでイベント通知を行うにはサーバがメール送信可能な環境になければならないので注意していただきたい。

   設定方法はコマンドを使用する方法と、LifeKeeperの設定ファイルである/etc/default/LifeKeeperファイルを直接編集する方法がある。

   コマンドで設定を行う場合には以下のコマンドを使用する



#lk_confignotifyalias 送信先メールアドレス

   メールアドレスは複数指定することも可能である。複数指定する場合は、メールアドレスをコンマで区切って入力する。

   上記のコマンドを実行すると、/etc/default/LifeKeeperの設定項目にメールアドレスが追加される。



LK_NOTIFY_ALIAS=送信先メールアドレス

   デフォルトでは「=」の後には何も記載されていないが、コマンドを実行することでメールアドレスが追記される。複数のメールアドレスが指定された場 合は、メールアドレスがコンマで区切られた形で記入される。よって、コマンドを使用せずに直接記入しても同じであり、/etc/default /LifeKeeperの変更を有効にするためのLifeKeeperの再起動も必要ないので設定しやすい方法を選択するとよい。

   以上で設定は終了である。メールが送信できる環境であればメーラーなどで受信することができる。動作の確認を行うには、擬似障害を発生させることが 最もわかりやすく確実である。以下、コミュニケーションパスの1本を引き抜いたときに送信された、実際のメッセージである。



From root@localhost.localdomain Tue Feb 15 19:20:07 2000
Date: Tue, 15 Feb 2000 19:20:06 +0900
From: root
To: root@localhost.localdomain
Subject: LifeKeeper communications path down detected on 192.168.1.10/192.168.1.23 for test2.example.com

LifeKeeper communications path down detected on 192.168.1.10/192.168.1.23 for test2.example.com

   もしメールがうまく受信できない場合は、lk_logコマンドを使用してログを確認することができる。



#lk_log  NOTIFY

   メールでのイベント通知設定は以上となる。もし、どのような場合にメールが送信されるかについて詳細に確認したい場合はSNMPと同様にオンラインマニュアルを参照していただきたい。

   今回紹介させていただいた設定はLifeKeeper for Linux 5.1.2での設定であるが、これ以前のバージョンを使用してメールでのイベント通知を行いたい場合は、SteelEye社から必要なファイルをダウン ロードしてそれを所定の場所に配置することで使用することができる。ダウンロードは以下のURLから行うことができる。なお、ダウンロードするにはユーザ 登録の必要があるので注意していただきたい。



SteelEye社ダウンロードページ
https://licensing.steeleye.com/download/※対象ページ閉鎖

   ログインをすると左側に「download」というメニューがあるのでそこをクリックすると、画面中央に「Optional LifeKeeper Extensions」というリンクが確認できる。そこをクリックするとLifeKeeperで使用することができるツールがいくつかダウンロードできる ようになっている。

   その中に「LifeKeeper for Linux Event Notification Email Messages」というリンクがあり、そこからメール送信に必要なファイルをダウンロードすることができる。設定方法については解凍したディレクトリの READMEを参照していただきたい。

   LifeKeeper for Linuxでのログの確認方法やSNMPの設定方法については以上になる。次に、LifeKeeper for Windowsでのログの確認方法とSNMPの設定について紹介する。

LifeKeeper for Windowsのログの確認方法

   LifeKeeper for Windowsでログの解析を行う場合は、Windowsのログ「イベントビューア」を使用する。イベントビューアは「コントロールパネル」の「管理ツー ル」に含まれている。起動すると以下のような画面が起動し、「アプリケーションログ」を選択する。


イベントビューア
図1:イベントビューア
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   アプリケーションログを確認すると、ログのソースがLifeKeeperになっているものがある。LifeKeeperの動作について確認する場合 にはそれらを確認する。また、リソースの動作について確認を行う場合には、ログの分類が「General」になっているものを確認する。

   なお、今回LifeKeeper for Windowsのログについての詳細な解説は割愛する。しかしながら、LifeKeeper for Windowsのログは一部日本語化されているものがあるので、若干確認しやすいと思われる。

LifeKeeper for WindowsによるSNMPトラップの送信方法

   LifeKeeper for WindowsでSNMPトラップが送信できるようにするには、LifeKeeper 自体に設定する項目はなく、OSに付属している「SNMP Service」を使用する。デフォルトのインストールではSNMP Serviceはインストールされないため、追加でインストールする必要がある。SNMP Serviceのインストールと設定方法についてはWindows自体の設定になるので、マイクロソフト社のWebサイトなどを参考にしていただきたい。

   ただし、Windows版でSNMPの設定を行う場合にはLifeKeeperよりも先にSNMP Serverをインストールする必要がある。LifeKeeperがすでにインストールされた状態でSNMP ServiceをインストールしてもSNMPトラップの送信はできないので注意してほしい。

   Windows版でのSNMP設定は以上である。

   なお、リモートにイベントを通知する方法としてLinux版の場合メールを利用できたが、Windows版では現在のところそのような設定はないのでご了承いただきたい。

最後に

   今回でLifeKeeperの設定や操作に関する技術的な解説は終了となる。

   もし、今後LifeKeeperを使用する機会があるのであれば、是非実際に設定を行ってみていただきたい。いかに直感的であるかを実感できると思 われる。また設定を行われる際には、どのような場合にどのようなログが出力されるかをあわせてご確認いただけると、LifeKeeperの設定や管理を行 う上で非常に有用であると考える。

(監修:サイオステクノロジー株式会社 小野寺 章)

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