LifeKeeperのすべて 14

LifeKeeperの今後のロードマップと展望

連載の総括   これまで14回にわたり、LifeKeeperについて技術的な観点で連載してきた。続けてお読みになった方には、LifeKeeperが LinuxならびにWindowsの両環境において、様々なアプリケーションやハードウェアの冗長化を実現できることがおわかりいただけたと思う。これだ けの

羽鳥 正明

2006年3月3日 20:00

連載の総括

   これまで14回にわたり、LifeKeeperについて技術的な観点で連載してきた。続けてお読みになった方には、LifeKeeperが LinuxならびにWindowsの両環境において、様々なアプリケーションやハードウェアの冗長化を実現できることがおわかりいただけたと思う。これだ けの多くのアプリケーションをオプションで簡単に対応できるHAクラスタソリューションはLifeKeeper以外にあまりないのではと思う。

   最終回の今回は、現在計画されている今後の開発予定(ロードマップ)をご紹介しながら、今後のLifeKeeperとHAクラスタ市場の動向について総括していく。

   LifeKeeperのインフラとなるものは、基本的にIAサーバであるが、現在のLifeKeeper for Linuxのサポート対象プロセッサは、x86からEM64T、AMD64といった現在主流となっている64bit環境に加え、Itanium 2、POWERといった、Linuxが今後浸透すると予想される領域まで網羅している(詳しくはRelease Notesを参照していただきたい)。

   今後のIAサーバならびにHAクラスタ市場を予想する上での重要なキーワードとして、「スケーラビリティ」「仮想化技術」「災害復旧」の3つを取り上げる。

スケーラビリティ

   1プロセッサの処理能力が飛躍的に向上していることやアプリケーションの64bit対応が進んできていることもあり、より高度な業務を担うようになってくると、それとともにHAクラスタのニーズが増加してくると考えられる。

   例えばSAP R/3というERP(Enterprise Resource Planning)ソリューションは、Windowsサーバでの構築が多い。R/3は全社の社内システムを統合することが可能で、発想自体がスケーラブル なソリューションであるため、構築の際には冗長化を考慮する必要がある。

   アメリカではすでに発表になっているのだが、LifeKeeper for Windowsでは「LifeKeeper Protection Suite for SAP on Windows」というラインアップが追加され、WindowsサーバでのSAP R/3構築におけるトータルかつパーフェクトな堅牢システムを実現する。当製品は弊社にて近日販売開始する予定である。

LifeKeeper Protection Suite for SAP on Windowsの構成例
図1:LifeKeeper Protection Suite for SAP on Windowsの構成例

   また、2006年2月にマイクロソフトより久々にMicrosoft SQL Serverの新バージョンが販売開始になったが、信頼性やセキュリティが強化され、今後のWindowsサーバのデータベース利用に大きな役目を果たすと考えられる。

   LifeKeeperはすでにMicrosoft SQL Server 2000に対応しているが、近日中にMicrosoft SQL Server 2005のサポートを開始する予定である。MS SQL Server 2005の機能強化として、64bitに対応したことがあげられる。LifeKeeperにて64bitのサポートするかについては、今後の市場動向を踏 まえ検討される予定である。

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