セキュアなVM環境を作る 6

作業ドメインを分割する

作業ドメインの分割〜必要な仕事はいったい何?   Domain-0を、「Domain-Uのインスタンスを管理する」目的にのみ供するとした場合、それ以外の「新規ドメインの構成」「VMMをはじ めとする各種ツールのコンパイル」などのために必要なものは、一部を除いてはすべてDomain-U上に構築するこ

宮本 久仁男

2006年10月31日 20:00

作業ドメインの分割〜必要な仕事はいったい何?

   Domain-0を、「Domain-Uのインスタンスを管理する」目的にのみ供するとした場合、それ以外の「新規ドメインの構成」「VMMをはじ めとする各種ツールのコンパイル」などのために必要なものは、一部を除いてはすべてDomain-U上に構築することになります。このため、以下の2種類 のドメインが必要になります。もちろんこの2種類のドメインは、同一のドメインでも差し支えありません。


  • Xenコンパイル用ドメイン
  • Domain-U環境の構築・イメージ管理用ドメイン
表15:必要なドメイン

   ただし、Xenをコンパイルするためのドメインを動作させるためには、Xenが動作していることが必須になります。Xenのパッケージが用意されて いるのであれば、そのパッケージを使えばコンパイル作業は不要になりますが、パッケージが用意されていない状況となると、以下のいずれかになります。


  • バイナリパッケージを使用する
  • 本来のDomain-0環境にインパクトを与えない形のコンパイル環境を準備する
表16:Xenのパッケージが用意されていない場合

   これらのドメインは、他にコンパイルマシンなりドメイン環境構築用のマシンを用意できるのであれば必要ありませんが、物理的なコンピュータ1台ですべてをまかなうのであれば、あったほうがよいでしょう。

コンパイル用&イメージ構築用のDomain-U〜余計なものを「Domain-0に入れない」ために

   大きな作業方針ですが、以下のようになります。


  • debootstrapを使ってDomain-Uの雛形を作成
  • 作成した雛形に各種設定を付加(APT環境の整備)
  • 作成した雛形環境にchrootを行う(chroot使用)
  • chroot後の環境へツール類のインストール
表17:コンパイル用&イメージ構築用のDomain-U

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