日本IBM、エンタープライズ向けのオープン・クラウドを実現するソフトウェアを発表
日本IBMは5月22日、エンタープライズ・オープン・クラウド環境の構築と管理を自動化するためのソフトウェア製品「IBM SmarterCloud Orchestrator(スマータークラウド・オーケストレーター)」を発表した。
「IBM SmarterCloud Orchestrator」は、新製品の開発など短いサイクルでのクラウドの活用や再利用、複数の企業でのクラウド・システムの連携や統合、大規模なクラウド・サービスのインフラの構築や管理など、エンタープライズ・クラウド環境の柔軟な運用とコストの最適化を実現したいユーザー向けのソフトウェア製品。価格は86,835円(管理対象のプロセッサー1コアあたり;税込)からで、2013年5月24日からIBMおよびIBMパートナー経由で販売を開始する。
仮想マシンやネットワーク構成などからなるクラウド基盤の管理にOpenStackのテクノロジーを採用し、その上位層であるアプリケーション基盤は標準規格のひとつであるOASIS TOSCAに準拠。そして、OASIS TOSCAに対応したPaaSがIaaSのインターフェースを呼び出し、クラウド・アプリケーションの管理を行う。これらにより、迅速かつ柔軟なクラウド環境の構築や管理はもとより、クラウド上で稼働するアプリケーションの可搬性を確保し、さまざまなクラウド間の連携や移行を容易にする。
クラウド環境の構築や管理を自動化するオーケストレーション機能を実装しており、この機能をより容易に活用するためのセルフ・サービス・ポータルを提供する。ポータル画面上で必要なリソース、ワークロード、サービスなど資源要素のイメージ・アイコンを組み合わせる直感的な作業のみで、構成の作成や自動的に行われる利用に向けての準備・設定(プロビジョニング)などの作業を自動で行い、クラウド基盤を迅速に構築する。クラウド基盤の資源管理に必要な承認ワークフローも同様に、ポータル画面からアイコン化された必要な要素を組み合わせる作業のみで作成、自動化することができる。クラウド環境をさらに容易かつ迅速に導入するために、あらかじめ必要な構成や設定情報を組み合わせた自動化パッケージも複数用意されている。
さらに、作成、活用したクラウドの構成や設定の情報は、セルフ・サービス・ポータル上で、IaaS部分の情報群である仮想イメージ、PaaS部分の情報群である仮想パターンとしてカタログ化し、管理することができる。仮想イメージ/パターンは、単体および複数の仮想イメージ/パターンを組み合わせた自動化パッケージとして展開(デプロイ)することで、他のクラウドと共有することができ、クラウド環境の連携や、複製、拡大などを容易に行うことができる。
「IBM SmarterCloud Orchestrator」は、これらのオープン・スタンダードにもとづくクラウド環境の構築、セルフ・サービス・ポータルを通じた構築と管理の自動化の実現、仮想イメージ/パターンと自動化パッケージの柔軟な管理と活用が可能な通常版に加え、クラウド・サービスの提供を支援する、クラウド環境のパフォーマンスなどを監視しキャパシティー・プランの作成を支援するクラウド・モニタリング機能や、細かいレベルでの課金サービスを実現するクラウド・メータリング機能を追加した、エンタープライズ版を提供する。
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