空間コンピューティングの時代が始まった2024年を振り返ってみる
「空間コンピューティング元年」だった2024年
2024年は、Appleによる初めてのXRヘッドセット「Apple Vision Pro」の発売やソニーによるXRヘッドセットの発表など、「空間コンピューティング」に関する話題が多くありました。
これまで、Mixed Reality(MR、複合現実)と呼ばれていた技術ですが、何を実現して我々の世界をどう変えるのかは曖昧で、価値の探求が続いていました。それに対して「空間コンピューティング」は、PCやスマートフォンなど平面でのインターフェースとは異なる、新たな直感的なインターフェースの総称となります。
AppleはApple Vision Proを2月に米国で発売し、その後販売国を拡大、6月には日本でも発売されました。大きく話題にはなったものの、日本円にして約60万円と非常に高額なこともあり、発売後は静かな滑り出しとなりました。しかし購入したユーザーは片目4Kという圧倒的な性能とAppleらしいユーザーインターフェース、そしてPCのディスプレイなどを拡張する体験に空間コンピューティングという新しいコンセプトを受け止めています。
先んじて同じような機能を備えたXRヘッドセット「Meta Quest 3」を展開したMetaは、2024年10月にMeta Quest 3Sを発売しました。Apple Vision Proとは異なる5万円以下の価格帯のデバイスで空間コンピューティングの普及に邁進しています。
その他Googleやソニーも参入が明らかになっており、さらにヘッドセット型ではないARグラスも登場が秒読みとなっています。特にMetaが発表したARグラスのプロトタイプ「Orion」は数年で市販が予定されており、これまでとは違うレベルの体験ができる予定です。
一方、没入型のメタバースプラットフォームであるRobloxは、デイリーアクティブユーザーが伸長し、北米圏のみならず、日本を含むアジアでも拡大し続けています。
2024年は、空間コンピューティングの一年とも言える年でした。2025年はさらに楽しみな一年になりそうです。以下、2024年に報じた空間コンピューティング関連の記事をあらためてお届けします。
「Apple Vision Pro」米国で2月2日に発売、1月19日に予約開始
AppleはMRデバイス/空間コンピュータ「Vision Pro」を、2024年2月2日(米国時間)に発売すると発表しました。予約は1月19日よりスタート予定、価格は3,499ドル。日本等の米国以外の国では2024年中の発売を予定しています。
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「Apple Vision Pro」米国で2月2日に発売、1月19日に予約開始
https://www.moguravr.com/apple-vision-pro-launch-date/
ソニー、片目4Kの「空間コンテンツ制作向けXRシステム」を発表。2024年発売予定
ソニー株式会社は、空間コンテンツ制作向けのXRシステムを発表しました。このシステムは片目4K解像度・カラーパススルー機能を有する「XRヘッドセット」、および2タイプのコントローラーで構成されており、主に企業やクリエイター向けの展開を予定しています。
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ソニー、片目4Kの「空間コンテンツ制作向けXRシステム」を発表。2024年発売予定
https://www.moguravr.com/sony-xr-system-for-spatial-content-2024/
5万円切りのVR/MRヘッドセット「Meta Quest 3S」登場
Metaの新型VR/MRヘッドセット「Meta Quest 3S」が発表されました。価格は128GBモデルが48,400円、256GBモデル 64,900円(いずれも税込)です。10月15日(日本時間)より発売され、発表とともに予約を開始しています。
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Metaの新型VR/MRヘッドセット「Meta Quest 3S」128GBモデル48,400円、10月15日に発売!
https://www.moguravr.com/meta-quest-3s-1st-review/
Metaから真のARグラス「Orion」が発表
Metaは、日本時間9月26日に開催された開発者会議Meta Connectにて開発中のARグラス「Orion」を発表しました。Orionはプロトタイプではありますが、視野角70度など現時点で展開されているあらゆるARグラスの先を行く、非常に高性能かつメガネの形状を実現したデバイスです。
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Metaが視野角70度の全部入りARグラス「Orion」を発表 同社の技術の結晶となる製品プロトタイプ
https://www.moguravr.com/meta-orion/
Robloxが急拡大。新たな開発・制作のチャンス
Robloxは2024年度第3四半期の決算を発表しました。売上高は前年同期比29%増の9億1,900万ドル、ブッキング(※Roblox内通貨等の購入額)は前年同期比34%増の11億2,850万ドルと大幅な増益となっています。また日間アクティブユーザー数(DAU、Daily Active User)は前年同期比27%増の8,890万人を記録し、特に13歳以上のユーザー層が伸長しています。プラットフォーム全体でのユーザーの総利用時間も207億時間に達しています。
ゲームプラットフォームとも見られているRobloxですが、企業の利用も増えており、メタバースとしての性質も兼ね備えています。ワールドやアバターなど、クリエイターがすべてを作ることができ、専用ゲームエンジン「Roblox Studio」の注目度も上がっています。日本でもユーザーが増えており、挑戦するスタジオやクリエイターが増えてきています。
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RobloxのDAUが8,990万人に急増、13歳以上ユーザー層も伸長
https://www.moguravr.com/roblox-earnings-2024-q3/
Googleからも新たな空間OSが登場
Googleは12月12日と13日、立て続けにXR関連の発表を行いました。XRデバイス向けの新たなOS「Android XR」を発表。Googleがサムスンと開発していると発表されていたMRヘッドセットは、その最初の対応デバイスとなる予定です。他にも、ソニー、Lynx、XREALが対応デバイスを開発中です。
また、Android XRはMRヘッドセットだけでなくARグラスにも対応。生成AI「Gemini」を搭載したグラス型デバイスも明らかにしています。
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GoogleがARグラスとMRヘッドセット両対応のOS「Android XR」発表 サムスン、ソニー、XREALらが対応デバイスを開発中
https://www.moguravr.com/google-android-xr/
Android XR対応MRヘッドセット「Project Moohan(コード名)」発表 2025年にサムスンから発売予定
https://www.moguravr.com/project-moohan/
Google、新型スマートグラスのプロトタイプをYouTubeで公開 AI「Gemini 2.0」を搭載
https://www.moguravr.com/google-smart-glass-gemini/
※本ニュース記事は「Mogura VR」から提供を受けて配信しています。
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