IBM、エコシステムとオープンテクノロジーのサポートを通じてクラウド採用を推進
米IBMは現地時間2月24日、エコシステムの成長を通じてクラウドコンピューティングの採用を推進していることを発表した。この取り組みには、クラウドでのアプリケーション展開の簡素化と迅速化に注力する主要なオープンテクノロジー推進団体との協働が含まれる。
具体的な動きとして、IBMはコーディング作業の簡素化に取り組むJavaScriptコミュニティー、jQueryの設立メンバーに任命された。jQuery Foundationに参加することにより、IBMは、現在主流のオープンクラウドアーキテクチャーに不可欠なオープンテクノロジーの取り組みに引き続き貢献していく。jQueryは、業界におけるWebアプリケーションの構築方法を簡素化する。IBMはエンタープライズモバイルソリューション向けに定評のあるIBM MobileFirstプラットフォームなど、自社のポートフォリオ全体で幅広くjQueryを使用する。
さらに、IBMはPivotalや他の数社と共にCloud Foundryを設立し、開発者およびクラウドコンピューティング技術者とのグローバルなコラボレーションの推進を支援する。そのために、Cloud Foundryはパブリッククラウドおよびプライベートクラウド用のユビキタスなPlatform-as-a-Serviceオープンソースクラウドコンピューティングプラットフォームを作り上げることを目指す。IBMはCloud Foundryのプラチナレベルのスポンサー、および理事会のメンバーとなる予定で、Cloud Foundryプロジェクトの開発および推進に積極的な役割を果たす。
IBMはワークロードのポータビリティーに対する需要に対処するため、OASIS Topology & Orchestration Specification for Cloud Applications(TOSCA)標準の業界での採用を引き続き推進する。IBMが共同議長を務めるTOSCAは、発展中のOpenStack HOTプロジェクト内で現在注目されつつある。TOSCAと足並みを揃えながら、コミュニティーは、複数のベンダーが提供する各製品およびクラウドプラットフォームの中で、どのようにクラウドアプリケーションをシームレスにモデル化、共有、展開、および管理できるかを示していく。
また、ピュアプレイOpenStackベンダーであるMirantisと協力して、SoftLayerが、エンタープライズ、パートナー、および開発者向けのスケーラブルで可用性と信頼性が高いOpenStackクラウドを構築するための優れたプラットフォームであることを示してきた。SoftLayerのベアメタルインフラストラクチャーは、OpenStackを巨大な規模で実行するプラットフォームとして、ベンチマークにより性能が立証されている。
設立メンバーおよびプラチナ・スポンサーとしてOpenStackを継続的にサポートしてきたIBMは、今回Cloud Foundry、jQuery、TOSCAへの参加により、オープンスタンダードとオープンソースイニシアチブのさらなるサポートに尽力し、顧客への価値の提供と、イノベーションと成功を推進するためのより強固なエコシステムの構築を進めていく。
成長を加速するとIBMが信じる、クラウドおよび他の業界のイニシアチブの採用を促進するため、IBMのエコシステム・デベロップメント(旧称:IDR)事業部門は、ビジネスパートナー、学界、起業家、およびIT専門家から成る堅固なグループと協働し、これらの組織がIBMプラットフォームの「エキスパート」となるのを支援する。
エコシステムは、顧客の成功を推進するIBMの戦略および能力において、以前よりもさらに重要な役割を果たすようになっている。IBMの顧客は現在、ヘルスケア業界から小売業まで、さまざまな業界における複雑な課題に対処するため、クラウドなどの洗練されたテクノロジーに対する、より簡素化されたアプローチを求めている。
エコシステムを強化することにより、IBMはスキルやテクノロジーを提供するさまざまな組織とのコラボレーションを促進し、ビジネスや社会が抱える大きな課題のいくつかに対する革新的なソリューションの提供を支援する。
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