Silverlight 4の印刷機能:RichTextBox編

2010年8月4日(水)
PROJECT KySS

ロジックコードを記述する

次に処理を記述します。

ソリューションエクスプローラ内のMainPage.xamlを展開し、MainPage.xaml.vbをダブルクリックしてコード画面を開きます。

リスト2のようにロジックコードを記述します。

リスト2: ロジックコード(MainPage.xaml.vb)

LINQ to XMLでXMLを処理するクラスの含まれる、System.Xml.Linq名前空間をインポートします。印刷の機能を提供するクラスの含まれるSystem.Windows.Printing名前空間をインポートします。ファイルの入出力に関するクラスの含まれる、System.IO名前空間をインポートします。

String型の新しいリストとして作成するメンバ変数myContentを宣言します。

XElementクラス用メンバ変数xmldocを宣言します。

■ページが読み込まれた時の処理

XElement.LoadメソッドでXML文書ファイル(syayou.xml)を読み込みます。読み込んだXML文書ファイルから要素のコレクションを取得するクエリ(query)を定義します。queryを実行します。

クエリコレクション内を反復処理する、変数resultを使って以下の処理を実行します。

新しいParagraphのインスタンスmyParagraphオブジェクトを生成します。

テキストのビジュアル・プロパティを設定します。

新しいRunのインスタンスmyRunオブジェクトを生成します。Runクラスは書式付き、または書式なしのテキストのセクションを表すクラスです。フォントサイズ、太字と文字色を指定し、Textプロパティに要素の内容を指定します。

以上の生成と設定ができたところで、myParagraphオブジェクトにmyRunオブジェクトを追加します。

表示されたタイトルの下に改行を追加するには、改行を表すLinebreakクラスを使います。新しいLinebreakのインスタンスmyLinebreakオブジェクトを生成して、myParagraphオブジェクトに改行を追加します。

新しいRunのインスタンスmyRun2オブジェクトを生成します。フォントサイズ、太字と文字色を指定し、Textプロパティに要素の内容を指定します。

以上の生成と設定ができたところで、myParagraphオブジェクトにmyRun2オブジェクトを追加します。

表示された著者名の下に改行を追加して、内容を表示させるのに、新しいLinebreakのインスタンスmyLinebreak2オブジェクトを生成して、myParagraphオブジェクトに改行を追加します。

新しいRunのインスタンスmyRun3オブジェクトを生成します。フォントサイズを指定し、Textプロパティに要素の内容を指定します。

以上の生成と設定ができたところで、myParagraphオブジェクトにmyRun3オブジェクトを追加します。

最後に、myRun、myRun2、myRun3の定義されたmyParagraphオブジェクトをRichTextBoxコントロールに追加します。

次に、要素の内容を1行ずつ読み取り、String型のリストであるメンバ変数myContentに追加しておきます。

このままでは、RichTextBox内に表示されるデータは、データの末尾から表示されてしまいます。そこで、先頭から表示する処理を記述します。それには、RichTextBox内の位置を表すTextPointerクラスを使います。ContentStartプロパティでRichTextBox内の先頭位置を表すTextPointer を取得します。GetNextInsertionPositionメソッドで、指定された論理方向(LogicalDirection.Forward)の、次の挿入位置となるTextPointer を取得します。LogicalDirection.Forwardで、TextPointerがRichTextBoxの指定された位置の直後に配置されます。

このように取得した値を、Selectメソッドに指定します。SelectメソッドにはTextPointerオブジェクトの同じ値(startPointer)を指定しています。これで、TextPointerが先頭に移動し、データが先頭から表示されるようになります。

■[印刷]ボタンがクリックされた時の処理

新しいPrintDocumentのインスタンスmyPrintオブジェクトを生成します。PrintDocumentクラスはSilverlightアプリケーションの印刷機能を提供するクラスです。

ページの印刷中に発生するPrintPageイベントでPrintPageGoプロシージャを実行します。印刷が完了したときに発生する、EndPrintイベントでは、EndPrintGoプロシージャを実行します。

Printメソッドで印刷キューに指定するドキュメントの名前を指定して、印刷を開始します。

四国のSOHO。薬師寺国安(VBプログラマ)と、薬師寺聖(デザイナ、エンジニア)によるコラボレーション・ユニット。1997年6月、Dynamic HTMLとDirectAnimationの普及を目的として結成。共同開発やユニット名義での執筆活動を行う。XMLおよび.NETに関する著書や連載多数。最新刊は「Silverlight実践プログラミング」両名とも、Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。http://www.PROJECTKySS.NET/

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