Silverlight 4の印刷機能:RichTextBox編

2010年8月4日(水)
PROJECT KySS

■RichTdextBox内のデータを複数ページに渡って印刷する処理

新しいStackPanelのインスタンスmyStackPanelオブジェクトを生成します。Orientationプロパティでスタックされるコンテンツを垂直方向に設定します。

新しいRichTextBoxのインスタンスmyRichTextBoxオブジェクトを生成し、BorderThicknessプロパティに0を指定して枠線を消します。

新しいParagraphのインスタンスmyParagraphオブジェクトを生成します。加算されるメンバ変数pageNumberが0のとき、つまり1回目にPrintPageGoプロシージャが呼ばれた時は、以下の処理を実行します。

要素と要素の内容を取得します。

テキストのビジュアル・プロパティを設定します。

新しいRunのインスタンスmyRunオブジェクトを生成します。Runクラスは書式付き、または書式なしのテキストのセクションを表すクラスです。フォントサイズ、太字と文字色を指定し、Textプロパティに取得しておいた「タイトル」を指定します。

以上の生成と設定ができたところで、myParagraphオブジェクトにmyRunオブジェクトを追加します。

表示されたタイトルの下に改行を追加するには、改行を表すLinebreakクラスを使います。新しいLinebreakのインスタンスmyLinebreakオブジェクトを生成して、myParagraphオブジェクトに改行を追加します。

新しいRunのインスタンスmyRun2オブジェクトを生成します。フォントサイズ、太字と文字色を指定し、Textプロパティに取得しておいた「著者」を指定します。

以上の生成と設定ができたところで、myParagraphオブジェクトにmyRun2オブジェクトを追加します。

表示された著者名の下に改行を追加して、内容を表示させるのに、新しいLinebreakのインスタンスmyLinebreak2オブジェクトを生成して、myParagraphオブジェクトに改行を追加します。

myRun、myRun2の定義されたmyParagraphオブジェクトをmyRichTextBoxオブジェクトに追加します。最後にmyStackPanelオブジェクトに、myRichTextBoxオブジェクトを追加します。この処理で、1ページ目の先頭に書式の設定された、「タイトル」と「著者名」が表示されます。

加算されるメンバ変数pageNumber2が、String型のリストとして作成するメンバ変数myContent に格納された、要素の個数より小さい間、Whileステートメントで以下の処理を繰り返します。myContentオブジェクトには、要素の内容が1行ずつ読みとられて格納されています。

新しい、TextBlockのインスタンスmyTextBlockオブジェクトを生成し、Marginプロパティに5を指定して、余白が5ピクセルになるようにします。また、TextWrappingプロパティを指定して、回り込みを可能としておきます。この記述を忘れると、長い文章は途中が切れてしまいますので注意してください。myTextBlockオブジェクトのTextプロパティに、String型のリストとして作成したメンバ変数myContentを指定します。添え字に加算されるpageNumber2変数を指定します。myStackPanelオブジェクトに、内容の追加された、myTextBlockオブジェクトを追加します。

myStackPanelに対して、SizeにWidthとHeightを指定して、Measureメソッドを呼び出します。Widthには印刷可能なWidth(e.PrintableArea.Width)を指定し、Heightには正の無限大を表すDouble.PositiveInfinityを指定します。

Measureメソッドは、レイアウト処理の測定パスの実行中に、UIElementが計算したサイズを更新します。

myStackPanelのDesiredSize.Heightが、印刷可能なHeight(e.PrintableArea.Height)より大きく、かつ、myStackPanelコントロールに追加されたmyTextBlockオブジェクトの個数が1より大きかった場合は、myStackPanelコントロールから、RemoveメソッドでmyTextBlockオブジェクトを削除し、HasMorePagesプロパティにTrueを指定して、まだ印刷するページがあることを明示します。次にWhileステートメントから抜けます。

HasMorePagesプロパティにTrueを指定すると、印刷するページがある限り、PrintPageGoプロシージャが呼び出されます。PrintPageGoプロシージャが呼び出され、新しいmyStackPanelが生成されmyTextBlockオブジェクトが追加される前に、すでにmyTextBlockオブジェクトが追加されている場合は、一度RemoveメソッドでmyTextBlockオブジェクトを削除します。この処理をしなければ、ごみが入る場合があります(図5)。String型のリストとして作成したmyContentオブジェクトの添え字に指定した、pageNumber2変数を加算します。印刷する要素を指定するPageVisualプロパティにStackPanelのオブジェクトであるmyStackPanelを指定します。これで、RichTextBoxコントロール表示されていたデータの一覧が、書式付で複数ページに、印刷、または書き出されます。メンバ変数pageNumberを加算します。

■印刷が完了したときの処理

「完了」というメッセージを表示します。

この「完了」というメッセージが表示されない限り、XPSファイルは書き出されませんので、注意してください。

図5: XPSファイルに書き出した際、先頭にごみが入っている(クリックで拡大)

四国のSOHO。薬師寺国安(VBプログラマ)と、薬師寺聖(デザイナ、エンジニア)によるコラボレーション・ユニット。1997年6月、Dynamic HTMLとDirectAnimationの普及を目的として結成。共同開発やユニット名義での執筆活動を行う。XMLおよび.NETに関する著書や連載多数。最新刊は「Silverlight実践プログラミング」両名とも、Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。http://www.PROJECTKySS.NET/

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