Parallel Studio XEで最新CPUに合ったソフトを作る
Inspector XEによる、アプリケーションの信頼性の向上
マルチスレッド化を行うと、デッドロックやデータ競合といったマルチスレッド特有の問題が生じます。これはマルチスレッド・プログラミングを難しいと感じさせる問題といわれていますが、インテルInspector XEを使用することにより簡単に問題を見つけ出し、解決までの時間を短縮することができます。
インテルInspector XEを使用すると、C/C++、C#またはFortranプログラムのマルチスレッド・エラーやメモリー・エラーを分析することができます。メモリー・エラー分析では、リソースのリーク問題や、メモリーの確保および開放処理の不一致のような問題を検出することができます。そのため、ガベージ・コレクション機能が提供されていないC/C++のような言語を使用した場合でも、生産性を向上させることができます。
インテルInspector XEでは動的に分析が行われるため、プログラムの実際の動作をもとに信頼性の高い結果を得ることができます。また、通常のデバッグ/ビルドで作成したプログラムを分析することができるので、プログラマはスムーズにデバッグを進めることができます。インテルComposer XEやインテルVTune Amplifier XEと同様に、Windows版ではVisual Studioへ統合することができます。
分析結果は問題の種類や関連個所などの情報が一覧として表示され、その場所をクリックするだけで、ソース・コードにジャンプすることができるので、これまでの統合開発環境での開発と同じように作業を進めることができます。
図2: インテルInspector XEの画面イメージ(クリックで拡大) |
スタティック・セキュリティー解析
さらにInspector XEには、静的コード分析を行う機能があります。静的コード分析ではソース・コードをもとに問題の分析が行われるため、開発のより早い段階から解析を行うことができ、より多様な問題を分析可能することができます。
インテルParallel Studio XEでは、静的コード分析に相当するスタティック・セキュリティ解析(Static Security Analysis - SSA)機能が提供されています。分析自体はインテル・コンパイラで行われ、分析結果を動的な分析と同じようにインテルInspector XE上に表示させることができます。SSAにより、セキュリティ上の問題ともなるバッファ・オーバー・フローや、言語仕様上の好ましくない記述、標準関数やOpenMPの不適切な使用個所など多岐にわたり見つけることができます。
インテル® Parallel Studio XE
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インテルが開発ツール製品を一新し、より高いパフォーマンスを求める開発者に向けた開発ツール「インテル® Parallel Studio XE 2011」をリリースしました。Windows およびLinuxをサポートしており、コンパイラ「Composer XE」、デバッガ「Inspector XE」、パフォーマンス・アナライザ「VTune Amplifier XE」で構成されています。
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