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仮想化環境のネットワーク構成とストレージ設計

2011年2月15日(火)
宮原 徹(みやはら とおる)

ネットワーク構成の検討

ネットワーク構成を検討するにあたっては、性能と冗長性の両面から考える必要がある。

ネットワーク系統を考える

仮想化環境におけるネットワーク系統は、大きく分けて、クライアント用ネットワークと、仮想化環境自身が使用するネットワークの2系統に分けることができる。後者はさらに、管理用ネットワーク、ライブ・マイグレーションに使うネットワーク、ストレージが使うネットワークの3つに分けられる。これら2系統4種類のネットワークをどのように構成するかを考えなければならない。

図3: ネットワーク構成例

図3: ネットワーク構成例

ネットワークの性能を検討

仮想化環境を構築すると、ネットワークは、複数の仮想マシンによって共用されることになる。このため、ネットワーク・トラフィックが多いと、帯域が不足してしまう。仮想マシン上で動作するシステムがどの程度の帯域を必要とするかを、あらかじめ確認/予測した上でネットワーク構成を設計しなければならない。

また、必要に応じて別々の仮想化ホストに仮想マシンが配置されるように設定を行うなど、1カ所にトラフィックが集中しないような工夫も必要となる。

ネットワークの冗長性を検討

仮想化環境では、1つのネットワーク経路を、複数の仮想マシンが共用する。このため、ネットワークが使えなくなると、その影響は広範囲に及ぶ。このため、基本的に経路は多重化して、冗長性をきちんと確保しておくことが望ましい。各仮想化ホストに用意するネットワーク・インターフェースはもちろん、上流のスイッチまで多重化しておきたい。また、このように冗長化することで、ネットワーク帯域を増やすこともできる。この点も絡めて設計するとよいだろう。

VLANによる柔軟性の確保

仮想マシンの数が増えてくると、単純な物理ネットワークでは対応できなくなる。このため、VLAN(バーチャルLAN)を使う必要が出てくる。すでにVLANでネットワークを構築している場合は従来のやり方を踏襲すればよいが、新規にVLAN化する場合はVLAN設計も併せて実施しなければならない。

ストレージ・ネットワークと10GbE、FCoE

ストレージが使うネットワークは、Fibre Channel(ファイバ・チャネル)によるFC接続のストレージであれば、イーサネットとは別立てのネットワークになるため、あまり考える必要がない。しかし、iSCSIを使う場合は、通常のネットワークとどのように混在させるのかを考えなければならない。基本的にiSCSIの方がトラフィックが多くなるため、そのほかのネットワーク通信がiSCSIの邪魔をしないように設計する必要があるだろう。

今後は、10GbE(10Gbpsのイーサネット)が普及する。これにより、帯域が大幅に不足することは少なくなると考えられる。さらに、10GbEを導入できれば、ストレージの選択肢も増える。iSCSIだけでなく、FC接続をイーサネット上で実現するFCoE(FibreChannel over Ethernet)なども利用できる(10GbEにロスレス拡張などを施したDCBが前提となる)。現時点では10GbE対応機器が高額なので最初から導入するのは難しいだろうが、今後は組み込んでいきたい。

著者
宮原 徹(みやはら とおる)
日本仮想化技術株式会社 代表取締役社長兼CEO

日本オラクルでLinux版Oracleのマーケティングに従事後、2001年に(株)びぎねっとを設立し、Linuxをはじめとするオープンソースの普及活動を積極的に行い、IPA「2008年度 OSS貢献者賞」を受賞。2006年に日本仮想化技術(株)を設立し、仮想化技術に関する情報発信とコンサルティングを行う。現在は主にエンタープライズ分野におけるプライベートクラウド構築や自動化、CI/CDなどの活用について調査・研究を行っている。

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