分散KVS「okuyama」の活用ノウハウ
前回の記事では「okuyama」のインストールから起動、そして操作までを、手順を追ってご説明しましたが、いかがだったでしょうか、無事に「okuyama」は動きましたか?
さて連載最終回となる今回は、実際の導入時におけるシステム構成をご説明します。
本連載の1回目のタイトルともなっている"NOSQLは「知る時代」から「使う時代」へ"の通り、今後NOSQLの導入が様々な種類のシステムへ始まるのではないかと考えています。
ではどのようなケースで利用できるのか?
今までご説明させていただいた通りNOSQLは全てのシステムケースにも向いているといったものではありません。どちらかと言えば特定のケースで力を発揮するタイプのストレージです。よって、適応するケースを見極める力が今後重要になってくると考えています。
今回は筆者が実際に構築したケースを基に「okuyama」を利用したケースをご紹介します。
1. はじめに ~「okuyama」活用に欠かせない機能:パーティション機能
(1)事前説明
早速、活用事例のご紹介と行きたいのですが、その前に「okuyama」の重要な機能の1つを追加でご説明させていただきます。以降の活用事例で有効に「okuyama」を活用するうえで切り離せない機能です。
(2)パーティション機能
その機能はパーティション機能です。マルチテナント機能とも言われます。
この機能は名前の通り、「okuyama」の内部に領域を切る機能です。領域を作成することで、1つの「okuyama」のクラスターで同一のKey値を複数管理することが可能となります。また、クライアントは特定のパーティションに接続すると、切断しない限りは別のパーティションのデータにアクセスすることもできません。
この機能を使って1つのクラスター内で、異なる趣向のデータを混同の心配なく同時に管理することが可能となります。そしてパーティション作成時は事前にサイズなどを決める必要はなく「okuyama」全体の容量が許す限りデータを保存することが可能です。
図1:「okuyama」のパーティション機能(クリックで拡大) |