事例で見るデータ連携の実際
プログラミングのコードを書くことなくGUIで定義
「エンジニアとして知っておきたい、クラウドデータ連携の基礎知識」というテーマで、データ連携について紹介してきた連載も今回で最終回となります。今回は、実際のデータ連携の事例を紹介していきたいと思いますが、その前に前回紹介したConcordを用いたデータ連携の処理手順について、少し補足をしておきたいと思います。
Concordでは、プログラミングのコードを書くことなく、データ連携に必要な処理をGUIの操作画面を使用して定義できることが最大のポイントとなります。データのパース(解析)やマッピングといった必要な機能はコンポーネント化されていますので、必要な機能をキャンバス上にマウスで貼り付けていくようなイメージでデータ連携を定義できます。
操作の流れもウィザード化されたシナリオに従って進めていけばいいので、適切な順番で簡単にデータ連携を定義することができます。シナリオは、あらかじめ用意されているテンプレートの中から適切なものを利用することもできますし、自社用にテンプレートを作成したり、それを再利用したりすることも可能です。
例えば、プログラミングで定義をすると手間のかかるマッピングも、インプット側とアウトプット側のデータがアダプタを通じて自動的に解析され画面上に表示されますので、マウスを使って直感的に関連づける項目間を結びつけるだけで定義できます。
またデータを連携する際に変換が必要な場合でも、あらかじめ文字列操作や演算の関数が豊富に用意されていますので、その関数をリンクされている項目間にドラッグ&ドロップするだけで設定することができます。
【Concordで提供されている関数の例】
- 文字列操作(置換、トリムアウト、サブストリング等)
- 四則演算
- データベースルックアップ
- ビット操作
図1:Concordを用いたデータ連携定義のイメージ |
しかもConcordは、第三者機関による電子データに対する正確な日時情報の付与から、電子データの存在証明と非改ざん証明を行うキーレス署名機能のほか、ロールベースのアクセスコントロール、ユーザーおよびシステムアクティビティのログ記録など、安全で信頼性の高い品質を実現しています。
わずか数日でデータ連携を実現することが可能に
これまで紹介してきたように、Concordは基盤設計の段階からクラウドとのデータ連携、統合を意識して設計されていますので、とても簡単にオンプレミス-クラウド間、さらにはクラウド間のデータ連携を定義できます。高価なデータ連携アプリケーションやミドルウェアを導入したり、自社でデータ連携プログラムを開発したりすることで、データ連携の仕組みを構築するのに数カ月かかっていたようなケースでも、わずか数日でデータ連携を実現することが可能になりました。
しかもConcordはこのようなデータ連携の仕組みをクラウド型のサービスとして提供しているため、ハードウエア、ソフトウエアへの投資、新たにシステムを開発することなくすぐに利用を開始でき、連携するアプリケーションを計画的に増やしていったり、データ移行の目的のために短期間だけ利用したりすることも可能です。
図2:Concordを用いたデータマッピング・変換定義のイメージ |
それでは、実際にConcordのベースとなるデータ連携ソリューションを活用した事例を紹介していきたいと思います。紹介するのは、次の3つです。
- クラウド(クラウド型CRMサービス)とオンプレミスアプリケーション(ERP)の連携
- レガシーCRMからクラウド型CRMサービスへの移行例
- ERPやCRMからデータをマイグレーションさせたSaaSの例